Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
循環器 小児

(S587)

M-mode心臓超音波法による小児右室拡大の簡便な評価法(右室径左室径比)と基準の検討

Evaluation of right ventricular dilatation by using M-mode echocardiography in children

橋本 郁夫

Ikuo HASHIMOTO

富山市民病院小児科

Pediatrics, Toyama City Hospital

キーワード :

【目的】
超音波心臓検査を使用して右室拡大を評価することは必ずしも容易でない.心房中隔欠損(ASD)手術例を病的な右室拡大とみなし,スクリーニングするためのM-mode法におよる簡便な指標を求める.
【対象と方法】
我々は,後方視的に我々のデータベースを見直して,0才から23才までの151例のASD患者と2769人の健常者を研究対象とした.合計307回の心エコー検査が,ASD患者のために行われた.修復術が,75例のASD患者で行われた.M-モード超音波心臓検査によって測定された右左心室拡張末期径の比(RVD/LVD)を右室拡大のインデックスとして使用した.健常者で体表面積(BSA)によるRVD/LVDノモグラムを得た後に,RVD/LVDのz-スコアを算出して,健常者からASD手術患者を区別するための至適カットオフ値を計算した.
【結果】
至適カットオフ値は新生児で高くBSAの増加とともに徐々に減少したが,BSA>0.65m2の小児でほぼ一定であった.BSA>0.65m2での最終的に手術に至った症例のカットオフ値はRVD/LVD>0.46であった.
【結論】
M-モード超音波心臓検査によって測定されたRVD/LVDは,ASD患者で右室拡大を評価するのに役立つインデックスである.体格による基準は異なったがBSA>0.65m2で手術に至った症例のカットオフ値はRVD/LVD>0.46であった.