Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
循環器 症例報告②

(S587)

Atrial Functional Mitral Regurgitationに対して運動負荷心エコーを施行した1例

Exercise Stress Echocardiography for Atrial Functional Mitral Regurgitation

齋藤 千紘1, 新井 光太郎1, 谷野 紗恵1, 五十嵐 慶子1, 梅原 伸大2, 芦原 京美1, 山崎 健二2, 萩原 誠久1

Chihiro SATIO1, Kotaro ARAI1, Sae TANINO1, Keiko IKARASHI1, Nobuhiro UMEHARA2, Kyomi ASHIHARA1, Kenji YAMAZAKI2, Nobuhisa HAGIWARA1

1東京女子医科大学病院循環器内科, 2東京女子医科大学病院心臓血管外科

1Caridiology, Tokyo Women’s Medical University, 2Cardiovascular Surgery, Tokyo Women’s Medical University

キーワード :

症例は74歳女性.他院で心房細動を指摘され内服加療が行われていたが,徐々に労作時息切れ,下腿浮腫を認めたため,精査加療目的に2014年4月に当院へ入院となった.入院後施行した心エコー図検査では,左室収縮能は正常範囲内であり,中等度僧帽弁逆流,中等度三尖弁逆流を認め,推定肺動脈収縮期圧は32 mmHgであった.僧帽弁逸脱所見はなく,弁尖の動きは正常であり,左房容積係数89.4 ml/m2と左房拡大,僧帽弁輪径3.2 cmと軽度僧帽弁輪拡大を認めることから,持続性心房細動による心房拡大を原因とする僧帽弁逆流(atrial functional mitral regurgitation)と考えた.心臓カテーテル検査では,冠動脈に有意狭窄は認めなかった.治療方針決定のため,エルゴメーターによる運動負荷心エコー図検査を施行したところ,60 Wの負荷で息切れ症状とともに,高度僧帽弁逆流,高度三尖弁逆流へと増悪し,推定肺動脈圧は64 mmHgへ上昇した.運動負荷により僧帽弁逆流や三尖弁逆流が高度となり,推定肺動脈収縮期圧も60 mmHg以上に上昇することから,僧帽弁逆流に対して手術が必要と判断し,僧帽弁形成術,三尖弁形成術を施行した.術後の心エコー図検査では僧帽弁逆流と三尖弁逆流はいずれも軽度であり,推定肺動脈収縮期圧は33 mmHgであった.術後28病日に退院となった.これまで慢性心房細動患者におけるatrial functional mitral regurgitationについての報告は少なく,治療指針も定まっていない.その他の器質的または機能性僧帽弁逆流では,治療方針を決定するため負荷検査を施行されることがあり,今回我々は,atrial functional mitral regurgitationに対して運動負荷心エコー図検査を行い,手術を選択した1例を経験したため報告する.