Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
循環器 症例報告①

(S573)

肺腺癌に伴った非細菌性心内膜炎の1例

A Case of non-bacterial endocarditiswith pulmonary adenocarcinoma

片山 陽介, 穂積 健之, 大河内 啓史, 竹本 和司, 湯崎 充, 亀山 剛義, 田中 篤, 久保 隆史, 岡村 吉隆, 赤阪 隆史

Yosuke KATAYAMA, Takeshi HOZUMI, Keishi OOKOCHI, Kazushi TAKEMOTO, Mitsuru YUZAKI, Takeyoshi KAMEYAMA, Atsushi TANAKA, Takashi KUBO, Yoshitaka OKAMURA, Takashi AKASAKA

和歌山県立医科大学循環器内科

Cardiovascular Internal Medicine, Wakayama Medical University

キーワード :

症例は60歳代男性.多発脳梗塞を発症し,心源性塞栓の可能性が考えられたため,当院に精査入院となった.心エコー図検査を施行したところ,左房内に腫瘤エコーが認められ,左房粘液腫と診断された.塞栓症状を伴っていたため,緊急手術が施行され,左房内に認められた腫瘤組織は粘液種であることが確認された.また,術中所見にて,僧帽弁の左房側に粒状の血栓付着がみられたため,術後にリバーロキサバンによる抗凝固療法が開始された.しかし,その後2ヶ月間に脳梗塞を2回発症し,術後5ヶ月目に意識状態の悪化のため救急搬送され,再度脳梗塞の発症が確認された.心エコー図検査では,僧帽弁弁尖の左房側に付着する可動性の腫瘤エコーがみられ,中等度の僧帽弁逆流も伴っており,感染性心内膜炎が疑われた.血液培養では,細菌は検出されなかったが,僧帽弁の腫瘤エコーの増大,および繰り返す塞栓症のため,手術も検討された.しかし,本例では,肺癌(StageⅢbの腺癌)の診断もなされていたため,内科的治療が行われることとなった.リバーロキサバンに変えて,ヘパリン点滴を開始したところ,経時的に僧帽弁に付着する腫瘤エコーは縮小し,僧帽弁逆流シグナルの減少が認められ,肺癌も伴っていることから,本例は,非感染性血栓性心内膜炎と考えられた.心エコー図では鑑別が困難な非感染性血栓性心内膜炎の1例を経験したので,文献的考察を交えて報告する.