Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
工学基礎 超音波治療

(S559)

HIFU用振動子を直接駆動する送信回路

Transmitting cirquit which is direct driving for HIFU transducer

竹内 秀樹1, 東 隆1, 葭仲 潔2, 高木 周3, 佐久間 一郎3

Hideki TAKEUCHI1, Takashi AZUMA1, Kiyoshi YOSHINAKA2, Shu TAKAGI3, Ichiro SAKUMA3

1東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻, 2産業技術総合研究所健康工学研究部門, 3東京大学大学院工学系研究科

1School of Engineering, Department of Bioengineering, The University of Tokyo, 2Health Research Institute, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 3School of Engineering, The University of Tokyo

キーワード :

【背景】
HIFU(High Intensity Focused Ultrasound)は,超音波のエネルギー応用で,振動子に大きな電力を供給する.この時,送信回路と振動子の間に同軸ケーブルなどの伝送線が存在すると,電力伝送効率が低下し,伝送線が発熱すると言う問題がある.
一方,MRIガイド下超音波治療からUSガイド下に発展させた場合,送信回路のサイズを小さくすることでシステム全体が小型になり,可搬化に大きく貢献できる.
また,焦点移動について,電子走査は正確だが素子ピッチに由来するグレイティングローブが発生するため可動域を広く出来ない.そこで,精度は落ちるが可動域の広い機械走査を併用した場合,振動子に送信回路を直接接続すれば,送信回路に入力するトリガー信号は電力を必要としないため細く出来,さらには光その他による伝送も可能で,機械走査の制約を大きく軽減できる.
【目的】
送信電力を供給する伝送線を極力短くし,振動子を直接駆動することでエネルギーロスを減少させ,小型化した送信回路を実現する.
振動子のインピーダンスや,送信波形にも依存するが,伝送効率75%以上を目標にする.
【方法】
スイッチング素子のMOS FETで振動子を駆動する場合,振動子とのインピーダンスの不整合に加えMOS FETのリアクタンス成分に起因する共振現象のため,スイッチングの過渡時にリンギングが発生し,これが電力のロスとなり,FETを異常発熱させる原因になっている.また,回路の小型化のため,サイズの小さなFETは,耐圧が低く,振動子を十分に励振できない.そこで,FETと振動子との間にインピーダンス変換用トランスを入れ,電圧と電流の最大のバランス点で励振することにより,耐圧の低いFETでも振動子を駆動でき,小型化と高効率化の両立が期待出来る.
今回用いたFETはDMN5L06VK(Diodes社,耐圧50V,連続最大電流0.28A,パルス電流1.5A)で,1.6mm×1.6mmのパッケージに2つのFETが入っている.トランスにはコア材Ni-Znの4.5mm×4.5mmのつぼ型コアを用いた.
【結果】
2mm×2mmピッチの格子配列を持った振動子の背面に直接接続できる送信回路を製作した(図1).供給電源電圧の約5倍の尖頭値電圧と,7.5W/cm2の送信電力を発生出来た.これは,通常HIFUに用いられている外径120mmφ,中心穴径40mmφの球殻型振動子に換算すると,約750Wとなり,電気音響変換効率≒50%では,総音響出力は約380Wとなった.