Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
工学基礎 組織性状評価

(S557)

骨表面組織における超音波照射による温度上昇について

On the temperature rise of rabbit’s femur exposure to ultrasound wave

高野 わかな1, 赤井 一揮1, 石黒 保直2, 谷口 信行3, 新田 尚隆4, 秋山 いわき1

Wakana TAKANO1, Kazuki AKAI1, Yasunao ISHIGURO2, Nobuyuki TANIGUCHI3, Naotaka NITTA4, Iwaki AKIYAMA1

1同志社大学同志社大超音波医科学研究センター, 2自治医科大学消化器・一般外科, 3自治医科大学臨床検査医学, 4産業技術総合研究所健康工学研究部門セラノスティックデバイス研究グループ

1Medical Ultrasound Research Center, Doshisha University, 2Department of Surgery, Jichi Medical University, 3Department of Clinical Laboratory Medicine, Jichi Medical University, 4Health Research Institute Theranostic Device Research Group, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology

キーワード :

【目的】
ARFIイメージングなどの技術に用いられる超音波は従来の超音波診断装置より持続時間が長く,強度が大きいパルスが使用される.特に超音波の焦点に骨が存在する場合に温度上昇が強調する可能性があると示唆されている.そこで本報告では,ファントム実験により骨をTMMに埋め込み,温度上昇に与える影響を調べた.さらに動物実験により,ウサギ大腿骨表面において温度上昇に与える影響も評価した.
【方法】
集束型超音波振動子(共振周波数2.5 MHz,口径12.5 mm,焦点距離25 mm)に熱電対挿入用貫通孔を設けた.その孔に熱電対を通すことで,焦点位置に熱電対測温接点を配置できる構造となっている.実験条件として,Ispta.3 = 715 mW/cm2,MI = 1.8となる条件で実験を行った.持続時間及びPRT(Pulse repetition time)をそれぞれ(4.24 ms,2 s),(10.6 ms,5 s),(21.2 ms,10 s)の3条件に設定し,1000秒間ウサギ大腿骨へ超音波照射を行った.ファントム実験も動物実験と同様の手順で行い,持続時間及びPRTは(4.24 ms,2 s),(10.6 ms,5 s)の2条件で行った.今回用いたファントムはIEC60601-2-37に基づき作成した.
【結果と検討】
ファントム実験によって測定されたPD=10.6 msのときの温度上昇波形の一例をFig.1に示す.Fig.1に示すように瞬時的な温度上昇の最大値をMTR(Maximum Temperature Rise),定常的な温度上昇の最大値をSTR(Stable temperature Rise)と定義した.MTRのPD変化に対する関係をFig.2に示す.ファントム実験と動物実験供に音響出力がIspta.3 = 715 mW/cm2,MI = 1.8と同一にもかかわらず,温度上昇の最大値(MTR)は持続時間と直線関係を示した.動物実験の結果から,MTRは持続時間が21.2 msの時に1.8℃となった.またSTRについては,ファントム実験では0.5℃以下であり,動物実験においてはノイズレベル以下(0.1℃以下)であった.
【結論】
本報告では超音波の焦点に骨が存在する場合の温度上昇に与える影響をファントム実験及び動物実験により評価した.その結果,Ispta.3 = 715 mW/cm2,MI = 1.8の超音波照射に対してそれぞれのMTRは,動物実験で持続時間が21.2 msの時1.8℃,ファントム実験で持続時間が10.6 msの時1.8℃であった.
【謝辞】
本研究は文科省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(平成25〜29年度)の補助を受けている.