Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
工学基礎 組織性状評価

(S556)

振幅包絡統計解析による感染性難治性潰瘍の組織性状診断

Tissue characterization for bacterial infection of intractable ulcer based on multiple envelope statistics analysis

大村 眞朗1, 吉田 憲司2, 光田 益士3, 久保 貴史3, 小林 和人4, 穂積 直裕5, 吉田 祥子6, 山口 匡2

Masaaki OMURA1, Kenji YOSHIDA2, Masushi KOHTA3, Takabumi KUBO3, Kazuto KOBAYASHI4, Naohiro HOZUMI5, Sachiko YOSHIDA6, Tadashi YAMAGUCHI2

1千葉大学大学院工学研究科, 2千葉大学フロンティア医工学センター, 3アルケア株式会社医工学研究所, 4本多電子株式会社研究部, 5豊橋技術科学大学国際協力センター, 6豊橋技術科学大学環境・生命工学系

1Graduate School of Engineering, Chiba University, 2Center for Frontier Medical Engineering, Chiba University, 3Medical Engineering Laboratory, Alcare Co. Ltd., 4Research Department, Honda Electronics Co. Ltd., 5International Cooperation Center for Engineering Education Development, Toyohashi University of Technology, 6Department of Environmental and Life Sciences, Toyohashi University of Technology

キーワード :

【はじめに】
本研究では,皮膚科および形成外科領域の疾患について,超音波を用いた簡易かつ定量的な診断手法を適用することを目指している.本報告では特に,皮膚潰瘍における細菌感染有無を高精度に検出するために,超音波診断装置から得られたエコー信号の振幅包絡分布を複数の確率密度関数(統計モデル)でフィッティングし,各統計モデルパラメータを指標とすることで,潰瘍部位における各組織の構造的な差異を判定することを試みた.
【対象と方法】
潰瘍はコラーゲンが産生および増殖することで治癒する.一方で,細菌感染を発症した部位では壊死組織が生じる.本報告では,観察対象として,非感染,クリティカルコロナイゼーション,感染の3種の潰瘍モデルラットを用い,エコー信号と組織構造の特徴の関係性について検証した.
各々のモデルラットについて,中心周波数11 MHzの超音波を用いて多断面のエコー信号を取得した.各エコーデータについて,潰瘍部に関心領域を設定し,その内部において解析窓を二次元走査し,各解析窓における信号振幅包絡の統計的性質を複数の統計モデルでフィッティングした.その結果として得られた各統計モデルパラメータの中で,散乱体構造の均質性と強く関係性があるパラメータを組み合せることで,潰瘍内組織の治癒部位,炎症,感染部を検出することを試みた.
【結果と考察】
下図において,複数の統計パラメータから「散乱体が均質かつ高密度で分布している」と判定された部位を検出した結果が赤を描写している.非感染モデルでは,潰瘍内部において検出部位は確認されない.一方で,クリティカルコロナイゼーションおよび感染モデルでは,局所的に検出部位が確認できる.同一断面における病理像と比較すると,検出部位には壊死組織が混在していることが分かる.
現在,超高周波超音波を用いて,潰瘍部におけるコラーゲンと壊死組織の音速や音響インピーダンスの解析を同時に実施しており,これらを併せて定量診断技術を実現する.
本研究の一部は豊橋市イノベーション等支援事業の支援を受けている.