Online Journal
電子ジャーナル
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英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
工学基礎 画像化技術

(S554)

超並列マイクロプロセッサでの走査方向AAFの最適化

Optimization of scanning direction AAF in the massively parallel microprocessor

須藤 孝紀1, 近藤 祐司2, 村山 真実3, 人見 康晴1

Takanori SUDOH1, Yuji KONDO2, Makoto MURAYAMA3, Yasuharu HITOMI1

1株式会社ISTソフトウェアシステム事業本部仙台システム部, 2東北大学大学院工学研究科, 3東杜シーテック株式会社テクニカルセクション.3

1System Enterprise Business Division Sendai System Department, IST-Software Co.,Ltd., 2Department of Electronic Engineering, Tohoku University, 3Technical Section. 3, Tohto C-tech Corporation

キーワード :

【背景】
超音波診断装置では受信信号を走査変換し画像を構築する.この際に生じるアーチファクトへの対策として,深さ方向へのAAF(DAAF)が一般的に施されているが,走査方向へのAAF(SAAF)も有効であることが分かっている.しかし,SAAFは処理が複雑であるため,ハードウェアで実現するにはコストが課題となり,またソフトウェアで実現するには通常のCPUでは処理に時間がかかりすぎる.前回我々は,超並列マイクロプロセッサを用いたSAAFのソフトウェア実装に関して発表し(1),リアルタイム動作が可能であることを確認した.しかしプログラムの充分な最適化が行われたとは言えず,今回アルゴリズムを考慮した最適化を行うことで更なる高速化が実現できたため発表する.
【方法】
超並列マイクロプロセッサは多数のプロセッサを搭載しており,多数のデータを並列に処理することを得意とするが,一部のプロセッサが処理遅延した場合でも機能全体の速度低下を招く.また,高速処理の実現にはデータキャッシュの有効利用が重要である.データキャッシュは連続した一定範囲のデータを格納するメモリ領域であり複数のプロセッサで共有されるが,不連続な位置のデータを参照する場合には有効に機能しない.対して,キャッシュを共有するプロセッサ間で同じデータを参照する場合や連続した位置のデータを参照するほど有効に機能する.そこで機能ごとにデータの参照順序を確認し,キャッシュを有効に利用する方法を検討した.
【結果】
DAAFやDSCでは深さ方向にデータを参照していくが,SAAFでは走査方向にデータを参照して演算を行う(図1).前回の実装では,データキャッシュを共有するプロセッサが深さ方向のデータを並列に処理するように設定していたため,SAAFではキャッシュが有効に利用されていなかった.また,画像両端ライン近辺の処理ではプロセッサごとの処理タイミングのずれが発生しておりキャッシュ利用率が顕著に低くなり,機能全体の処理速度低下を招いていた.SAAFについてキャッシュの利用率が高くなるよう実装方法を変更したところ,前回から約4倍の高速化を実現した.(表1)
【まとめ】
超並列マイクロプロセッサにおいてアルゴリズムに応じたキャッシュの利用方法とその評価方法が確立され,極めて複雑な画像構築処理であってもリアルタイムに実現可能であることが確認された.
【参考文献】
(1)人見他:日超医第88回学術集会,88-基礎-044,2015