Online Journal
電子ジャーナル
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英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
工学基礎 画像化技術

(S553)

素子指向性を考慮した適応ビームフォーマにおける対角項負荷と空間平均の効果

Effects of Diagonal Loading and Sub-Array Averaging on Adaptive Beamformer Incorporating with Element Directivity

長谷川 英之

Hideyuki HASEGAWA

富山大学大学院理工学研究部

Graduate School of Science and Engineering for Research, University of Toyama

キーワード :

【1.目的】
近年,超音波断層像の高分解能化のための適応ビームフォーマに関する研究が盛んに行われている.著者らは,適応ビームフォーマにおいて素子指向性を考慮することにより計算量を劇的に低減できることを示した[1].しかし,ペネトレーションが劣化するという問題があるため,その改善方法について検討を行った.
【2.原理】
適応ビームフォーマにおいて使用する空間相関行列に,所望信号(焦点からの散乱波)と相関がある成分が含まれると所望信号も抑圧されてしまうことから,そのような相関性信号を抑圧する必要がある.その手法として一般的な空間平均法(sub-array averaging)を用いた従来の適応ビームフォーマの方がペネトレーションは良好であったため[1,2],本報告では著者らの提案手法に空間平均法を適用した.さらに,安定化手法として一般的に使用される対角項負荷の効果も検討した.
【3.実験結果および考察】
評価にはCIRS社製ファントムmodel 54GS用いた.遅延和法,従来の適応ビームフォーマ(APES,空間平均有,サブアレイサイズ:48,対角項負荷有:文献[2]の推奨値),指向性を考慮したmAPES法(空間平均無,対角項負荷無),mAPES法(空間平均無,分割開口数:4,対角項負荷有:受信信号のパワーを分割開口数で除したものの0.1倍)の4種類について検討を行った.mAPES法に空間平均を適用した場合,適切に画像が得られなかったため除外した.図(a)と(b)はそれぞれ,模擬生体媒質中のワイヤファントムからのエコーの横方向および距離方向の振幅プロファイルである.ワイヤからのエコーの横方向半値幅は,遅延和法0.67 mm,APES法:0.36 mm,mAPES法(対角項負荷無):0.25 mm,mAPES法(対角項負荷有):0.38 mmと,mAPES法(対角項負荷無)が最も優れていたが,図(b)に示されるようにペネトレーションが劣化する.mAPES法に対角項負荷を適用することにより,APES法と同等の分解能を保ちながらペネトレーションでは上回る結果を得ることができた.計算時間については,mAPES法がAPES法の約100分の1であった.
【参考文献】
[1]Hasegawa, et al., IEEE Trans UFFC, 2015.
[2]Blomberg, et al., IUS2009,2009.