Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
工学基礎 マイクロバブル

(S542)

超音波パワードプラ画像を用いた気泡破壊の高時間分解能その場計測

In situ time resolved measurement of microbubble destruction by ultrasound power Doppler image

折笠 拓夢, 泉 遥介, 永井 隼人, 中嶋 俊貴, 山越 芳樹

Takumu ORIGASA, Yosuke IZUMI, Hayato NAGAI, Toshitaka NAKAJIMA, Yoshiki YAMAKOSHI

群馬大学大学院理工学府

Graduate School of Science and Technology, Gunma University

キーワード :

【目的】
微小気泡をキャリアとして使う超音波支援のDDSでは,気泡キャビテーションが導入効率向上の重要なメカニズムになるが,超音波照射下で気泡はBjerknes力により気泡クラウドを形成するのでクラウド形成,微少クラウドへの細分化,移動,部分破壊など気泡キャビテーションは複雑な様相を示す.このためその様子をその場で実時間で観察し,結果を超音波照射シーケンスにフィードバックする仕組みを実現することはDDSの高効率化のために必要になる.我々は超音波装置のパワードプラ画像を検出手段として使い,強力超音波を映像用超音波に対して遅延照射することでパワードプラ画像上のS画像とT画像の2つの異なる画像を同時に使う気泡キャビテーションのサブマイクロ秒の時間分解能を有するその場観測法を提案する.
【方法】
図(a)に示す実験系において,気泡のキャビテーションを起こすための強力超音波(周波数fB)を映像超音波(周波数fI)に対して遅延同期照射する.今fBを気泡の共振周波数付近に設定しfIをそれよりも十分に高い周波数とすると,パワードプラ画像の気泡位置に気泡運動によるドプラ画像(S画像)が現れる.一方,遅延時間だけ遅れた位置に気泡の非線形振動および気泡の破壊で無指向的に放射される2次超音波の内,周波数fI付近の超音波が縦方向のライン画像(T画像)を形成する.このT画像の輝度は気泡から放射される2次超音波を時間分解能の高いオシロスコープで観測したときの振幅値に相当しているので,これにより強力超音波照射中の気泡からの放射超音波がサブマイクロ秒の時間分解能で観測できる.
【結果】
提案法を用いて超音波造影剤(ソナゾイド®)の気泡キャビテーション信号を可視化した.ここでfI=7.5MHzであり,強力超音波はfB=2.5MHz,音圧1.5MPa,照射時間30マイクロ秒である.結果を図(b)に示す.左側のパワードプラ画像上には時間分解能を有するT画像と空間分解能を有するS画像がそれぞれ形成されていることが見て取れる.右側には正規化した輝度値でグラフ化したT画像を示す.T画像は強力超音波照射時における気泡からの放射超音波の時間推移を表している.
【結語】
提案法は気泡キャビテーションの時間推移を非侵襲的かつリアルタイムに把握できる方法である.