Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
工学基礎 せん断波イメージング

(S541)

カラードプラせん断波映像法における少数フレームを用いる高精度位相マップ抽出法

Limited frame phase extraction method for Color Doppler Shear Wave Imaging

砂口 尚輝1, 中島 崇仁2, 山越 芳樹1

Naoki SUNAGUCHI1, Takahito NAKAJIMA2, Yoshiki YAMAKOSHI1

1群馬大学大学院理工学府, 2群馬大学大学院医学系研究科

1Faculty of Science and Technology, Gunma University, 2Graduate School of Medicine, Gunma University

キーワード :

【目的】
カラードプラせん断波映像法(CD-SWI)は,加振器により被写体を振動させたときに発生するせん断波の伝搬を,一般的な超音波診断装置に標準装備されているカラーフロー画像(CFI)化法を使用して観測する手法である.CD-SWIはCFIの時系列データを用いることで位相マップや,その空間微分から伝搬速度マップなどの機能的な画像を取得することができる.ここで,位相マップの画質はCFIの枚数に依存することから,従来の画像化手法では被写体の同位置で2,3秒程度の測定時間を要し,リアルタイム性の低下,被写体の体動や測定者の手による位置ずれを招くという課題があった.したがって,微小時間内に撮影された少数枚のCFIデータから高画質な位相像を取得できれば,CD-SWIの実用性を飛躍的に向上させることができる.本研究では,0.3秒程度で得られた3,4枚のCFI像から高画質な位相マップの抽出手法を提案する.本手法を乳腺ファントムの測定データに適用し,本手法の有効性を実証する.
【位相マップ抽出法】
本手法では,少数のCFIデータを従来法に適用し位相マップの初期解を得た後,周波数空間と実空間で逐次的に情報復元を行うFienupアルゴリズム(FA)[1]を用いて位相マップの回復を図る.しかし,FAを適用するためには,適用対象に即した制約条件を周波数空間と実空間の両方に導入しなくてはならない.最終的な画像品質はこれらの制約条件の性能に依存する.そこで本手法では,周波数空間でせん断波が一定の方向に伝搬することを利用する方向性フィルタリングを導入する.また,実空間で位相像上のピクセル間の変動総和が最小になる性質を利用するTotal variation最小化プロセスを導入する.
【実験・結果】
図(a)と(b)は,乳腺ファントムの撮像実験から得られた4枚のCFIに対して従来のFFT法で処理した位相マップと本手法で処理した位相マップを示す.せん断波が伝搬しないシスト領域(赤枠)以外を見ると,(a)では位相の流れが階段状になっており位相の取得に失敗しているのに対し,(b)では滑らかに繋がっており正常に取得できていることが分かる.
【まとめ】
乳腺ファントムを使用した撮像実験により,本手法の有効性が実証された.
1.J.R. Fienup, Opt. Lett. 3,27-29(1978).