Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

奨励賞演題
奨励賞演題 腎・泌尿器 奨励賞演題 腎・泌尿器

(S531)

大きな腎結石に対してWideband Doppler超音波ガイドに行った経皮経尿道的ミニ腎砕石術

Wideband Doppler Ultrasound-Guided Mini-Endoscopic Combined Intrarenal Surgery(mini-ECIRS)for Large Renal Stones

井上 貴昭

Takaaki INOUE

関西医科大学附属滝井病院腎泌尿器外科結石治療センター

Department of Urology and Stone Center, Kansai Medical University,

キーワード :

【背景・目的】
超音波技術の進歩に伴う画質の向上は腹部の周辺臓器の境界を明確にし,深部臓器の描出を今まで以上に可能にした.さらに高分解能血流表示機能をもつWideband Doppler ultrasonographyは血管のはみ出しを抑えることにより微細血管の観察を可能にした.腎結石治療において経皮的アプローチによる腎砕石術は泌尿器科専門医にとって修得するのに高いハードルをもつ手術の一つである.腎臓などの実質臓器に針を穿刺するという行為は時にして大きな出血の原因になり得る.これら出血のリスクをできる限り回避するために,我々はWideband Doppler modeを用いて腎実質の血管の走行を確認し穿刺ラインを選択し腎杯穿刺を行い砕石術を施行している(Fig.1).さらに可能な限り穿刺針先端がぶれないようにtwo step穿刺を行い12F miniature nephroscopeを用い腎への損傷を最小限にした.これらの方法の有用性と安全性について評価する.
【方法】
当院において2013年1月から2015年9月までにWideband Doppler ultrasonography(TOSHIBA Aplio300 and HITACHI-ALOKA prosoundα7)を用いて施行した41例のmini-endoscopic combined intrarenal surgery(mini-ECIRS)の周術期結果をretrospectiveに検討した.手術は2名の医師で行い経皮的操作は単一術者が行った.手術はmodified Valdivia positionでレーザーを用いて砕石を行った.
【結果】
手術は全例全身麻酔下で施行した.結石サイズは45.5±14.7mm.皮膚から腎被膜までの距離,ターゲット腎杯への到達穿刺回数はそれぞれ51.9±21.7mm,1.8±1.3回.手術時間,initial SF-rate,final SF-rateはそれぞれ158.4±51.3min,73.2%,97.5%であった.術後ヘモグロビン低下値,腎機能低下値は0.54±0.65g/dl,0.05±0.13ml/min/1.73m2であった.合併症において輸血,腎周囲血腫,他臓器損傷などは認めなかったが術後3例(7.3%)に一過性の発熱を認めた.ヘモグロビン低下≧1g/dlのrisk factorsとして有意な因子はなかったが,皮膚から腎被膜までの距離が深いほど出血が多くなる傾向があった(p=0.081).
【結論】
Wideband Doppler guided mini-ECIRSは葉間動静脈,さらに末梢血管の誤穿刺を回避し出血量軽減に繋がると思われた.さらにそれにより良好な視野を得ることができSF-rateの改善に寄与すると思われた.Wideband doppler ultrasonographyは経皮的手術の安全を担保するための良い手段の一つになると思われた.