Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

奨励賞演題
奨励賞演題 循環器 奨励賞演題 循環器

(S521)

左室容量計測における全自動3次元解析ソフトウェアの有用性

Usefulness of Fully Automated 3D Echocardiography Volumetric Software for the Measurement of Left Ventricular Volumes

大谷 恭子1, 中園 朱実1, SALGO Ivan S.2, LANG Roberto M.3, 竹内 正明1

Kyoko OTANI1, Akemi NAKAZONO1, Ivan S. SALGO2, Roberto M. LANG3, Masaaki TAKEUCHI1

1産業医科大学臨床検査・輸血部, 2フィリップスヘルスケア, 3シカゴ大学非侵襲性心臓造影研究所

1Department of Laboratory and Transfusion Medicine, University of Occupational and Environmental Health, School of Medicine, 2Healthcare, Phillips, 3Noninvasive Cardiac Imaging Laboratory, University of Chicago Medical Center

キーワード :

【目的】
3次元心エコー図法は左室容量を正確に評価する上で有用であることが知られている.本研究の目的は,新たに登場した1心拍3次元画像構築データを用いた全自動3次元左室容量解析ソフトウェア(Heart Model; HM, Phillips)の有用性を検討することである.
【対象と方法】
①同日にEPIQ 7G(Phillips)による心エコー図検査および心血管核磁気共鳴画像法(CMR)を施行した20例を対象とした.HMを用いて全自動で左室拡張末期容量(EDV),左室収縮末期容量(ESV)および左室駆出率(LVEF)を計測し,必要に応じ用手的にトレースの修正を行った.CMRはDisc area summation法(Segment)で左室容量を計測した.②EPIQ 7Gにて1心拍3次元フルボリュームデータが得られた75例を対象とし,HMおよび3次元スペックルトラッキング法(3DSTE)にてEDV,ESV,LVEFを計測した.
【結果】
①HMとCMR間に有意な相関は認めるものの(EDV: r=0.87,ESV: r=0.85,LVEF: r=0.81),左室容量はHMで有意に小さく,LVEFは有意に大きかった(EDV: 153±53 vs. 184±61 ml, p<0.001,ESV: 98±49 vs. 126±72 ml, p<0.001,LVEF: 39±13 vs. 32±13%,p<0.001).②平均ボリュームレートは20±3拍/秒であり,HMと3DSTEいずれも97%で解析が可能であった.HMでは30%の症例で用手的な修正が必要であり,解析に要する時間は全自動で32±4秒,修正した場合で90±19秒,3DSTEで121±10秒であった.計測値はHMと3DSTEで良好な相関を認め,誤差も小さかったが,LVEFはHMでわずかだが有意に大きかった(Figure).HMの検者内,検者間誤差は全自動ではすべて0%,用手的に修正した場合はEDV:3.8%,5.1%,ESV: 5.9%,9.3%,LVEF: 4.3%,8.8%であり,試験−再試験信頼度はEDV: 5.0%,ESV: 7.3%,LVEF: 7.3%であった.
【結語】
HMは簡便性,精度の面において,左室容量計測の有用なツールであると考えられるが,約30%の症例で用手的修正を要し,CMRに比し左室容量を過小評価し,LVEFを過大評価することには留意が必要である.