Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

Keynote Lecture
Keynote Lecture 13 頭頸部 Keynote Lecture 13 頭頸部

(S515)

頭頸部領域の超音波検査

Ultrasonography in head and neck region

福原 隆宏

Takahiro FUKUHARA

鳥取大学医学部感覚運動医学講座耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野

Department of Otolaryngology-Head and Neck Surgery, Tottori University Faculty of Medicine

キーワード :

耳鼻科医が超音波検査をすることは一般にあまり知られていないが,耳鼻咽喉科・頭頸部外科の日常診療で超音波を使用する機会は多い.頸部は浅在臓器であるため画像の解像度がよく,超音波検査の有用性は高い.しかし一方で,頭頸部領域は解剖が複雑で対象臓器・疾患が多い上,学ぶ機会が少なく,検査技術を習得しにくい.
頭頸部の超音波検査では,まず頸部のリンパ節評価をおこなう.頸部リンパ節は咽頭炎や齲歯などによる反応性腫大やリンパ節炎のほか,結核や放線菌症などの特殊な感染症,癌の転移,悪性リンパ腫などが超音波で診断できる.頭頸部癌のリンパ節転移診断において,超音波診断はもっとも精度がよいと考えられている.表在用のリニアプローブはリンパ節のリンパ門などの内部構造を描出でき,転移リンパ節においてはその構造の変位や破壊,内部壊死が観察される.カラードプラでは正常リンパ節ではリンパ門の血流を,転移リンパ節では周囲から流入する異常血流を認める.頸部のリンパ節の転移部位によっては原発腫瘍部位を予測でき,嚢胞変性している場合は甲状腺癌の他,原発不明とされやすい扁桃癌の存在を予測できる.
頸部には,他に顎下腺や耳下腺などの唾液腺疾患もある.唾液腺疾患には,感染性疾患のほか,自己免疫疾患,良性腫瘍,悪性腫瘍があり,舌下腺,顎下腺,耳下腺でそれぞれ見方が異なる.これらはBモードやドプラによる血流評価,エラストグラフィーの組み合わせによって診断をおこなう.頸部の嚢胞性疾患には側頸嚢胞や正中頸嚢胞,リンパ管腫などがある.リンパ管腫の治療では超音波を併用した硬化療法が効果的である.
その他,声帯麻痺の評価や顔面骨骨折の評価も可能であり,超音波ガイド下に骨折の整復術をおこなえば低侵襲な手術が可能となる.
この度のKeynote lectureでは,頭頸部領域における超音波検査について,日常診療で実際に役立つ知識や活用法をお話ししようと考えている.