Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

Keynote Lecture
Keynote Lecture 11 循環器 Keynote Lecture 11 循環器

(S514)

経胸壁3次元心エコーの過去,現在,未来

Transthoracic 3D echocardiography-past, current and future

竹内 正明

Masaaki TAKEUCHI

産業医科大学臨床検査・輸血部

Department of Laboratory and Transfusion Medicine, University of Occupational and Environmental Health, School of Medicine

キーワード :

私が初めて3次元(3D)心エコーを見たのはボストン留学中の1997年であった.その頃の3D心エコーは多数の2D断層画像より3D画像を構築する方法で,真の3D心エコーではなく,断面と断面の間は外挿によって描出されていた.画像収集,その後の解析もとにかく時間がかかり,積極的に取り組む気にはなれなかった.1998年に最初のリアルタイム3D心エコーが登場した.これまた業務用の冷凍庫のように装置が大きく,画像もお世辞にもきれいとは思えなかった.留学から帰国後2000年前半にようやく第二世代のリアルタイム3D心エコーが登場し,臨床研究に使われるようになったが,画質,解析ソフトともに充分なものではなく,画像の切り出しには熟練を要し,その使用は一部の医師・技師に限られていた.2007年に3D経食道心エコーが登場し,心臓血管外科医が手術室でのみ見ることが出来た左房側から見る僧帽弁を拍動心の状態で観察できた時は久々に大感激したのを今でも覚えている.2012年以降3D心エコーの定量ソフトが成熟期を迎え,knowledge baseの左室容量,駆出率定量解析ソフトや,3Dスペクルトラッキングによる,左室容量,ストレイン解析ソフトが数多く登場している.また3Dエコーデータを用いて右室容量を解析するソフトも非常に使いやすくなった.しかし周りを見渡せば未だに2D断層心エコーで,満足している医師,技師の方が多いのが現状である.当院でも経胸壁3D心エコーを臨床の現場で積極的に記録している医師,技師の割合は全体の半数である.なぜ経胸壁3D心エコーのプローブがエコー装置に搭載されていても使われないのか?重いから?画質が悪いから?解析が面倒だから?いろいろな理由はあると思われるが要は2Dではなく3D心エコーでなければだめだという状況を充分に理解していないことがその普及を妨げている最大の原因と思われる.本講演では経胸壁3D心エコーの臨床での必要性を中心にその過去,現在,未来についてお話ししたいと思う.