Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 運動器
シンポジウム 運動器(一部英語) 新しい超音波技術で運動器を評価する

(S488)

運動器領域の超音波検査におけるプローブ発展の恩恵

Benesit of probe development in the ultrasonic examination of the musculoskeletal

石崎 一穂

Kazuho ISHIZAKI

社会福祉法人三井記念病院臨床検査部

Clinical Laboratory, Mitsui Memorial Hospital

キーワード :

【はじめに】
運動器領域のエコーの広がりは,プローブの発展に寄与するところが大きい.画質の向上は言うまでもなく,形状や特殊な機能を兼ね備えたプローブの存在も,その一因といえる.
【運動器における超音波検査の役割】
現在超音波検査は,院内や在宅における臨床の現場や各種スポーツ競技のフィールドにおける診断や検診なために利用されている.用途としては,腫れや痛みの原因,運動機能の障害の原因の発見,検診での障害の発見に使用される.よって存在診断,質的評価,動きの評価がどのような検査環境でも行える必要があり,用途に応じた装置の選択が可能でなければならない.超音波検査は,リアルタイムに高分解能の画像が提供できる上,装置やプローブの種類も多く運動器での有用性は高いと言える.
【画質の向上に関して】
高周波プローブの発展には目を見張るものがあり,特に近位の画質向上は著しい.他の画像診断装置と比較しても高い分解能を誇っていて,組織の形態的評価や性状の評価,計測が簡便に行えるため病巣の発見から経過観察まで幅広く利用できる.
リアルタイム性を損ねないように,各メーカーが推奨する画像調整を上手に使うことも重要であり,正しい基本画像と病態に応じた画像調整を行えば,痛みの原因となる小さな骨片像や動きの評価も誰でも簡便に行える.
【プローブの形状に関して】
プローブの形状として,ホッケースティク型や幅の狭いリニア型プローブは手の指の動的評価に適していて,通常使用するリニア型プローブでは評価しづらい指関節の動きの評価が可能になった.また,プローブに装置をコントロールするスイッチを割りつけたプローブも開発され,動的検査の動画を簡便に記録することも出来る.更に,比較的周波数の高い幅の狭いコンベックスプローブは,骨と骨の狭い隙間から深部の観察が可能である.
また,外部からの衝撃に強いプローブやワイヤレスのプローブもあり,検査環境や用途に合わせて選択できる.
【まとめ】
これからのプローブの発展にも注目し,我々ユーザーが関わって行くことで,更に使いやすく画期的なプローブが開発されることを望んでいる.