佐藤 洋¹, 石井 克尚²

Hiroshi SATO¹, Katsuhisa ISHII²

¹関西電力病院臨床検査部, ²関西電力病院循環器内科

¹Clinical Central Laboratory, Kansai Electric Power Hospital, ²Cardiovascular Medicine, Kansai Electric Power Hospital

キーワード :

下肢静脈超音波検査の主な検査目的は，下肢静脈血栓か下肢静脈瘤評価である．しかしながら，下肢静脈血栓や下肢静脈瘤の所見がないにも関わらず，下肢に浮腫や腫脹を認める例が実臨床では，主治医もその原因検索を求めている．
下肢に浮腫の原因としては，心不全，腎不全，低アルブミン血症，腹部腫瘤による下大静脈の閉塞や圧排，リンパ浮腫などがある．下肢腫脹の原因としては，蜂窩織炎や血腫（皮下や筋肉内），先天性の動静脈瘻などが考えられる．その多くの原因検索を超音波検査にて評価することが可能である．ただし下肢だけでは十分な原因検索できない．注目したいポイントは，①皮下組織の“敷石様所見”②下肢静脈のうっ滞所見，③胸水，腹水，④心不全所見，⑤皮下や筋肉内のエコーフリースペースである．