Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 腎・泌尿器
シンポジウム 腎・泌尿器 2 小児の腎泌尿器超音波検査

(S442)

泌尿器疾患の胎児診断

Fatal diagnosis of urologic disease

松岡 隆

Ryu MATSUOKA

昭和大学医学部産婦人科学講座

Department of Obstetrics and Gynecology, Showa University School of Medicine

キーワード :

泌尿器疾患には機能的異常と形態学的異常に大別され,胎児期の診断は主に形態学的検索が行われる.在胎15週を過ぎると羊水産生は羊膜より腎が主になるため2nd trimester以降の羊水過多・過少は腎機能異常の所見であり,尿産生量異常(機能的異常)を契機に泌尿器疾患が診断される事も多々ある.代表的形態異常である尿路閉塞疾患は狭窄部位から上位の拡大を伴うため,胎児診断は比較的容易である.しかしながら,出生後の長期的腎機能評価を胎児期に予測する事は困難である.胎児期の診断により疾患によってはご両親の保因子診断につながることもあり(Potter type1: infantile polycystic kidneyなど),診断告知には遺伝カウンセリングを含めた診療が必要な事もある.また,胎児期の泌尿器疾患は羊水量が保っていれば生命予後大きく影響することはないが,羊水過少は肺低形成から出生後呼吸不全を惹起するため,今まで致死的疾患と言われてきた.近年,羊水過少症例に対する羊水注入により肺低形成を防ぎ生存症例の報告もあり,羊水過少が一概に致死的と判定するのが難しくなってきていると言える.超音波による胎児診断の具体的方法は腎臓の描出および羊水量により行う.以下に当院での検査成績を示す.
【対象】
2011年6月から2015年3月までに当院で分娩した3759症例
【方法】
妊娠初期(11-13w)および中期(18-20w)の精密超音波検査を施行し,形態学的検索を行った.施行者は2名(産婦人科医師,超音波専門医)によるダブルチェック.
【結果】
初期検査で形態異常を指摘されたのは41例であり泌尿器疾患は両腎盂拡大1例であった.妊娠中期以降から分娩までに確認できた胎児形態異常は24例で,泌尿器疾患は7例で,陰嚢水腫1例,巨大膀胱1例,腎嚢胞1例,水腎症1例,停留睾丸1例,尿道下裂1例,重複尿管1例であった.
【結論】
尿道下裂のような外表奇形の診断は未だ困難であるが,形態異常や羊水量異常を伴う泌尿器系疾患は出生前診断可能と思われる.今回の調査期間では無かったが,プルーンベリーの様な初期から異常所見を示す疾患以外は尿産生が腎に以降する妊娠中期以降で診断されている事が分かった.