Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 腎・泌尿器
シンポジウム 腎・泌尿器 1(一部英語) 透析腎癌や診断困難な腎腫瘤に対する造影超音波検査の有用性

(S440)

腎腫瘤のマネージメントにおける造影USの意義〜CT,MRI診断と対比して〜

Role of contrast-enhanced ultrasonography for management of renal masses: In comparison with CT and MRI

秋田 大宇, 橋本 正弘, 大熊 潔, 陣崎 雅弘

Hirotaka AKITA, Masahiro HASHIMOTO, Kiyoshi OHKUMA, Masahiro JINZAKI

慶應義塾大学医学部放射線診断科

Diagnostic Radiology, Keio University School of Medicine

キーワード :

腎腫瘤の画像診断は,主に良悪性の鑑別と病期診断に用いられている.病期診断に関しては,短時間で広範囲の撮像が可能なCTが中心的役割を果たしている.ダイナミックCTは静脈腫瘍塞栓に対して高い診断能を有し,客観的な画像が容易に得られる.リンパ節転移や遠隔転移に対してもCTが基本である.ダイナミックCTが施行できない場合でも,静脈腫瘍塞栓の診断に関してはMRIで代用可能である.このように病期診断に関して造影USの有用性は少ないと考えられる.
一方,腎腫瘤の良悪性の鑑別に対しても,CTやMRIの診断手順やその有用性はほぼ確立されている.しかしこの腎腫瘤の性状評価においては,造影USの有用性が発揮される場面があると考える.第一に,気管支喘息や腎機能障害などの理由で造影CTや造影MRIが施行できない場合が挙げられる.腎腫瘤はまず嚢胞性か充実性かを判断した上で,良悪性の鑑別を行うが,それらに通常造影検査は欠かせない.造影CTや造影MRIが施行できない患者に対しては,造影USが腫瘤の性状を評価するための唯一の造影検査となり,非常に有用性が高い.次に嚢胞性腫瘤の評価に関して,造影USはより鋭敏に隔壁を評価できることが挙げられる.さらに被ばくがないことから,BosniakカテゴリーⅡF病変などの経過観察にも有用と考える.またCTで造影効果の有無が判定困難な病変(造影前後でCT値10〜20HUの上昇)においても,造影効果をより鋭敏に捉えることができる造影USは有用性が高いと考える.特に造影効果の弱い腫瘍や出血性嚢胞が多く発生する透析腎において有効と思われる.
以上のようにCTやMRIと比較しながら,造影USの意義について自験例を交えて解説する.