Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 甲状腺
パネルディスカッション 甲状腺(JSUM・JABTS共同企画) 小児の甲状腺超音波検診

(S433)

茨城県における小児甲状腺超音波検診

Thyroid ultrasound examination of children in Ibaraki

原 尚人

Hisato HARA

筑波大学医学医療系乳腺甲状腺内分泌外科

Dept. of Breast and Endocrine Surgery, Faculty of Medicine, University of Tsukuba

キーワード :

平成23年3月の東日本大震災後の福島第一原子力発電所事故に対する健康調査として,福島県と同様に茨城県においても,小児甲状腺超音波検診が国や茨城県で検討されたが実施にはいたらなかった.茨城県内各自治体は市町村単位で実施が検討され,委員会の委員,個人的相談,二次検診の依頼などで何らかの形で関わった実施自治体は,北茨城市,高萩市,東海村,つくば市,牛久市,守谷市,取手市,かすみがうら市,常総市,龍ヶ崎市となる.この中で特に大きく関わった東海村について報告する.
茨城県東海村では小児を対象とする甲状腺超音波検査を先行調査として平成24年11月1日〜平成26年3月31日に実施した.対象者は,東海村全村民のうち平成9年4月2日生まれから平成23年4月1日生まれまでの5932名であった(事故当時0歳から13歳).その検査結果をA1:結節や嚢胞を認めなかったもの,A2:5mm以下の結節や20.0mm以下の嚢胞を認めたもの,B:5.1mm以上の結節や20.1mm以上の嚢胞を認めたもの,C:直ちに要精密検査が必要なもの,の4群にまとめた.検査対象者:5932名に対し,検査希望者は4041名(検査対象者の64.4%),検査受診者は3821名であった(検査希望者の96.4%).検査結果は,A1:2571名(67.3%),A2:1230名(32.2%),B:20名(0.5%),C:0名(0%)であった.この結果を踏まえ,福島県で実施された「県民健康管理調査」の甲状腺検査の結果と,福島県外の3県(青森県,山形県,長崎県)で実施された甲状腺有所見率調査結果と統計学的比較検討を行った.年齢別の比較検討,考察も加え,ここに報告する.東海村では平成28年度に同じ対象者に希望調査をし,検診を実施する予定である.今回の報告は小児甲状腺超音波検診結果の先行検査であり,今後の長期にわたる追跡調査の第一報としたい.