Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 甲状腺
シンポジウム 甲状腺(JSUM・JABTS共同企画) 新しい甲状腺結節超音波診断基準を巡って

(S425)

JSUMの診断基準の現状と問題点

Current condition and problems of JSUM diagnostic criterion for thyroid tumor

田中 克浩

Katsuhiro TANAKA

川崎医科大学乳腺甲状腺外科

Department of Breast and Thyroid Surgery, Kawasaki Medical School

キーワード :

甲状腺腫瘤への悪性診断の手立てに診断基準がある.今回は日本超音波医学会用語・診断基準委員会が作成し,発表している甲状腺結節(腫瘤)超音波診断基準についての現状と問題点について述べる.2011年に最新版が出されているが,主と副の所見で良性・悪性の2つに分けており,判定は大変行いやすい.また,付記により,診断基準表では診断しづらい疾患を別に記載しているのも特徴である.良性所見を呈しうる悪性疾患として,微少浸潤型濾胞癌および10 mm以下の微小乳頭癌・髄様癌・悪性リンパ腫,悪性所見を呈しうる良性疾患として亜急性甲状腺炎,腺腫様甲状腺腫が挙げられ,それぞれの超音波の特徴が記載されている.甲状腺腫瘤は,例外が多く(特に腫瘍径が小さいと判定は容易に覆る),なかなか明確な決定樹を構成するのが困難なことが背景にあるからである.良性を強く示唆する所見としてはスポンジ様腫瘤,高エコー腫瘤が知られており,メタ解析でも特異性は99%とされているが,これを診断基準表に加えるのは難しい.
問題点は主および副の所見に臨床的重要度の順位が見られないことである.つまり,形状は整だが内部エコーが低で不均質の場合どちらがより重要かが不明である.悪性特異度へのオッズ比が判明しておれば重要性の順列判定可能であろう.
最新の米国甲状腺学会のガイドラインでは悪性に特異性が高い所見は辺縁所見(整か不整),縦横比が高い,微細石灰化の存在が重要であると明記されており,JSUM診断基準から見ると縦横比の要素はなく,微細石灰化は副所見になっている.また特に濾胞性腫瘤では大事と考えられている血流評価や硬さの評価も記載がなく,これらを是非とも評価に加えられるような診断基準を期待している.