Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 乳腺
パネルディスカッション 乳腺 2(JSUM・JABTS共同企画) 乳房超音波検査は病理組織診断にどこまで迫れるか

(S414)

超音波所見からトリプルネガティブ乳癌に迫る

Approaching “triple-negative breust cancer” from US findings

梅本 剛1, 東野 英利子1, 2, 植野 映1, 2

Takeshi UMEMOTO1, Eriko TOHNO1, 2, Ei UENO1, 2

1つくば国際ブレストクリニック, 2(公財)筑波メディカルセンター

1Tsukuba International Breast Clinic, 2Tsukuba Medical Center Foundation

キーワード :

【はじめに】
ER・PgR陰性,HER2陰性のトリプルネガティブ乳癌(TNBC)は,一般に増殖能が高く,悪性度が高いとされる.その超音波所見は,形状は円形・楕円形ないし分葉形,境界は明瞭・明瞭粗ぞうで,内部エコーレベルは低く,後方エコーが増強した,縦横比(D/W)の大きい,いわゆる圧排発育型の腫瘤が典型とされているが,日常臨床にて経験するTNBC症例の超音波像はさまざまである.
【対象・方法】
平成22年10月以降,(公財)筑波メディカルセンターにて診断されたTNBC症例のうち,Ki-67値が測定された連続28例(平均55歳)について,A群)Ki-67値<40%:10例と,B群)Ki-67値>70%:10例を抽出し,初診時の超音波所見および臨床経過を遡及的に検討した.
【結果】
A群の超音波所見は,腫瘤/非腫瘤性病変が9/1例であった.腫瘤の形状は円形・楕円形/分葉形/多角形/不整形が2/3/1/3例,境界は明瞭/明瞭粗ぞう/不明瞭が0/6/3例,後方エコーは減弱/不変/増強が2/3/4例であり,D/Wは平均0.62(0.42-0.76)であった.内部エコーは低/等/高が8/1/0例,均質/不均質が2/7例であった.非腫瘤性病変1例は,後方エコー減弱を伴う境界不明瞭な低エコー域として描出された.血流は,Hypervascular/Vascular/Hypovascular/ Avascularが6/1/3/0例であった.
これに対して,B群10例の超音波所見は,すべて腫瘤であり,うち2例は混合性パターンを呈していた.腫瘤の形状は円形・楕円形/分葉形/多角形/不整形が6/4/0/0例,境界は明瞭/明瞭粗ぞう/不明瞭が2/5/3例,後方エコーは減弱/不変/増強が0/0/10例であり,D/Wは平均0.74(0.47-1.00)であった.内部エコーは低/等/高が9/1/0例,均質/不均質が4/6例であった.血流は,Hypervascular/Vascular/Hypovascular/Avascularが8/1/0/0例であった.
エラストグラフィは腫瘤16例に対して施行され,つくば弾性スコア3/4/5がA群(8例)で2/3/3例,B群(8例)で0/7/1例であった.
【考察・まとめ】
TNBCの典型的な超音波像を呈する症例は,B群により多く認められた.またB群には,内部にのう胞様構造を伴う症例や混合性パターンを呈する症例が含まれ,高い増殖能を反映した壊死を示唆する所見と考えられた.TNBCのなかでも,Ki-67値の違いにより,超音波像が異なる傾向が確認された.