Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 乳腺
シンポジウム 乳腺(JSUM・JABTS共同企画) 乳腺における造影超音波の位置づけ

(S399)

乳癌における造影超音波所見と病理学的悪性度の比較検討

Evaluation of the correlation between enhancement parameters of contrast-enhanced ultrasound and prognostic factors in breast cancer

佐藤 恵美1, 2, 西田 睦2, 3, 山下 啓子4

Megumi SATOH1, 2, Mutsumi NISHIDA2, 3, Hiroko YAMASHITA4

1北海道大学病院放射線部, 2北海道大学病院超音波センター, 3北海道大学病院検査・輸血部, 4北海道大学病院乳腺外科

1Department of Radiology, Hokkaido University Hospital, 2Diagnostic Center for Sonography, Hokkaido University Hospital, 3Department of Clinical Laboratory and Transfusion, Hokkaido University Hospital, 4Department of Breast Surgery, Hokkaido University Hospital

キーワード :

【目的】
浸潤性乳管癌症例に対する造影超音波検査(CEUS)で得られた時間輝度曲線(TIC)解析における各指標と病理組織学的悪性度との関連性について検討し明らかにすること.
【対象と方法】
対象は2013年3月〜2015年9月までに乳腺CEUSを施行し,組織学的に浸潤性乳管癌と診断された75結節,平均年齢57.7歳.装置はTOSHIBA社製AplioTM 500,プローブはPLT-1005BTを使用した.造影剤はSonazoid®を用い0.015mL/kg体重を投与した.MI値は0.19〜0.23,フォーカスは病変最深部とし,造影剤投与開始後1分間動画を撮像しraw data保存した.TIC解析ソフトはIGR Curve Fitting softwareを用い,関心領域(ROI)は腫瘍内で最も強く造影される部位と周囲乳腺組織に円形の径3mm大で設定した.TIC解析にて,Peak intensity(PI)(10-E5 AU), Area under the curve(AUC)(10-E5 AU・s), Area under the wash-in(AUWI)(10-E5 AU・s), Area under the wash-out(AUWO)(10-E5 AU・s), Time to peak(TTP, s), Mean transit time(MTT, s)を算出した.PI, AUC, AUWI, AUWOについては周囲乳腺組織と腫瘍部の比で評価した.病理組織学的因子は,Ki-67標識率,組織学的グレード,腫瘍浸潤径(≦2cm vs>2cm),リンパ節転移の有無,ホルモン受容体(ER・PgR), HER2発現の有無について検討した.統計学的検討はSpearmanの相関係数とMann-WhitneyのU検定で行い,有意水準は5%とした.
【結果・考察】
Ki-67とPI(ρ=0.36), AUC(ρ=0.38), AUWI(ρ=0.44), AUWO(ρ=0.32)との間に軽度〜中等度の有意な相関関係が認められた.TTP(ρ=0.06), MTT(ρ=0.09)との間には有意な相関関係は認めなかった.組織学的グレードとPI(ρ=0.48), AUC(ρ=0.42), AUWI(ρ=0.49), AUWO(ρ=0.33)との間には中等度〜軽度の有意な相関関係が認められた.TTP(ρ=0.03), MTT(ρ=-0.03)との間には有意な相関関係は認めなかった.腫瘍浸潤径,リンパ節転移有無と各パラメータの間に有意差は認めなかった.ER陰性群でPI, AUC, AUWI, AUWOが有意に高値を示した.PgR陰性群でAUC, AUWI, AUWO, TTPが有意に高値を示した.HER2陰性群でTTP, MTTが有意に低値を示した.CEUSによる腫瘍内の血流の多寡や速度は,増殖能,悪性度,ホルモン受容体・HER2発現の有無を反映する可能性が示唆された.
【結論】
CEUSにおける造影効果の多寡は,乳癌の増殖能や性質の予測に有用である可能性が示唆された.