Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 乳腺
シンポジウム 乳腺(JSUM・JABTS共同企画) 乳腺における造影超音波の位置づけ

(S399)

乳腺造影超音波検査の目的別の年次推移から見えてきたもの

What is the best purpose of breast contrast-enhanced ultrasound?

亀井 桂太郎1, 原田 徹1, 金岡 祐次1, 前田 敦行1, 今吉 由美2, 高田 彩永2

Keitaro KAMEI1, Tohru HARADA1, Yuji KANEOKA1, Atsuyuki MAEDA1, Yumi IMAYOSHI2, Ayae TAKADA2

1大垣市民病院外科, 2大垣市民病院形態診断室

1Department of Surgery, Ogaki Municipal Hospital, 2Department of Clinical Research, Ogaki Municipal Hospital

キーワード :

【目的】
乳腺造影超音波検査は2012年に我が国で保険収載されて以来,さまざまな活用法の提案がなされてきたものの,至適目的はわかっていないのが現状である.そこで当院における目的別の年次推移を検討することにより,乳腺造影超音波検査の最も有効な活用法を探った.
【対象と方法】
対象は2013年1月から2015年12月までに,当院で行った乳腺造影超音波検査175例.検査の目的別に,超音波診断の補助(診断補助群),インターベンションの穿刺法・部位の決定(穿刺補助群),MRI/CTで見つかった病変のセカンドルックUS(セカンドルック群),術前の広がりを見る(広がり観察群),術前化学療法の効果判定(術前化療群)に分類した.それぞれの3年間の年次推移を検討した.また,セカンドルック群におけるインターベンション別の年次推移についても検討した.
【結果】
乳腺造影超音波検査数の推移は,2013年以降44例・82例・49例であった.目的別の検査数の年次推移は,診断補助群が10例(22.7%)・20例(24.4%)・12例(24.5%),穿刺補助群が2例(4.5%)・12例(14.6%)・9例(18.4%),セカンドルック群が5例(11.4%)・40例(48.8%)・22例(44.9%),広がり観察群が25例(56.8%)・7例(8.5%)・1例(2.0%),術前化療群が2例(4.5%)・3例(3.7%)・5例(10.2%)であった.セカンドルック群で評価した67病変のうちインターベンションを50例に行った.その内訳は,穿刺吸引細胞診(FNAC)が4例(100%)・8例(26.7%)・1例(6.3%),針生検(CNB)が0例(0%)・9例(30%)・3例(18.8%),吸引式組織生検(VAB)が0例(0%)・13例(43.3%)・12例(75%)であった.特に,スーパーコア®,マンモトームエリート®といった,目標に対して正確に穿刺・採取できるものを選択する頻度が増している.
【考察】
乳腺造影超音波検査を開始した時期は,手技に習熟する目的もあり広がりの観察が多かったが,現在では半数の症例はMRI/CTで見つけた病変に対するセカンドルックUS時に行うものである.今後,超音波検診が始まれば,超音波検査で見つかった病変の精査が必要になるであろう.これらの症例において造影超音波はMRIに比し目的とする病変を確実に同定して精査することが可能である.また,術前化学療法の効果判定目的で行う症例が増加傾向である.今後はルチーン化することを検討中である.MRI下生検が保険収載されていない本邦では,インターベンションはUSガイド下に行うことが多く,セカンドルックUS時や穿刺法・部位の決定のために行う造影は有用であると思われる.特にセカンドルックUSを行う症例は認識すら困難な症例が多いため,正確に必要な検体を採取するために,VABが頻用される傾向がある.
【結語】
これまで乳腺造影超音波検査の使用目的としてさまざまな提案がなされてきた.当院の現状においては,MRI/CTで見つけた病変に対するセカンドルックUS時,診断の補助のための造影超音波検査が多く行われている.今後は術前化学療法の効果判定が多くなると予想される.