Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 産婦人科
シンポジウム 産婦人科 1 胎児心臓超音波検査 見つけにくい心疾患をどう見つけるか?

(S371)

今なお胎児期に見つけにくい「総肺静脈還流異常」における「PLAS index」の有用性

The clinical utility of“PLAS index”for detection of fetal TAPVC

河津 由紀子, 稲村 昇

Yukiko KAWAZU, Noboru INAMURA

大阪府立母子保健総合医療センター小児循環器科

Department of Pediatric Cardiology, Osaka Medical Center for Maternal and Child Health

キーワード :

【背景】
2000年頃より本邦でも胎児心エコー検査が普及し始め,当初は左心低形成症候群などの単心室系の心疾患例が増加し,更に近年では大動脈縮窄や完全大血管転位など従来胎児診断が困難とされていた疾患も診断されるようになった.その中でも依然,胎児診断が困難であるのが“総肺静脈還流異常(TAPVC)”単独例である.近年の海外の文献でもその胎児診断は“challenging”とされている.一方で我々は,2014年に胎児TAPVCでは左房・下大動脈間距離が大きいことより,その距離を下大動脈径で除したpost LA space index(PLAS index)がその胎児診断に有用と報告した(Ultrasound Obstet Gynecol. 44(6):682-7,2014).
【目的】
胎児TAPVC診断におけるPLAS indexの有用性を再度評価・検討すること.
【対象と方法】
対象は当センターで経験した胎児TAPVC 9例.その画像所見と経過をまとめる.そして,対象例と正常胎児304例(在胎23〜36週)のPLAS indexを比較し,統計学的に有用なCut-off値を検討する.
【結果】
対象例のうち,胎児期に診断していたのは2例(1b型:1例,3型:1例).1例はCHD(TAPVC)家族歴,1例はSTIC異常があり,精査としての胎児心エコー検査を施行し診断に至った.胎児診断例,出生後診断例ともに全例手術を施行し,経過良好で生存している.PLAS indexは,TAPVC例で平均1.56 +/-0.26(1.27〜1.96,中央値1.5),正常例で0.62 +/-0.19(0.18〜1.05,中央値0.6)であり,有意にTAPVC例で大きかった(P<0.0001).ROC解析では,Cut-off値は1.27(sensitivity, 100%,specificity, 100%)であった.
【まとめ】
PLAS indexはTAPVC例で有意に大きいことから,胎児TAPVCの診断に有用である.PLAS indexは,胎児心エコーの基本断面である四腔断面像から算出でき,またカラードップラーも要しないことから,特に胎児心臓スクリーニングにおいて,簡便かつ有用であると考えられた.