Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 消化器
ワークショップ 消化器 1(一部英語) 慢性膵炎の超音波診断

(S349)

早期慢性膵炎EUS所見の意義 -EUS-elastographyによる検討-

EUS findings in early chronic pancreatitis: evaluation using Elastography

藤澤 真理子, 入澤 篤志, 澁川 悟朗, 星 恒輝, 山部 茜子, 五十嵐 亮, 佐藤 愛, 牧 匠, 池田 恒彦, 阿部 洋子

Mariko FUJISAWA, Atsushi IRISAWA, Goro SHIBUKAWA, Koki HOSHI, Akane YAMABE, Ryo IGARASHI, Ai SATO, Takumi MAKI, Tsunehiko IKEDA, Yoko ABE

福島県立医科大学会津医療センター消化器内科学講座

Department of Gastroenterology, Fukushima Medical University Aizu Medical Center

キーワード :

【目的】
早期慢性膵炎(CP)のEUS所見のうち,線維化を示すとされる点状・索状・膵管辺縁高エコー(HF・HS・HEDM),分葉エコー(Lob)について,EUS-Elastography(EG)を用いてその意義を検討した.
【方法】
EUS-EGでは,線維化により大動脈拍動圧が減弱されると高エコーより振動子側の膵実質は圧縮し難くなり青で表示される.今回,BモードEUSで2項目以上の早期CP所見が得られた20例(早期CP/CP疑い12例,診断基準に合致しない8例),正常10例を対象に膵実質の色調変化(color pattern)を観察した.また,各EUS所見の振動子側の色調変化も併せて観察した.
【結果】
1)正常膵全例では膵実質は均一に緑色で観察された.2)早期CP/CP疑いの10例では,全例で内部は不均一(青と緑の混在)であった.3)早期CP診断基準に合致しない8例中6例では内部不均一であったが,2例では内部均一なパターンとして認識された.4)早期CP/CP疑いの12例では,振動子側が青で観察されたHFは14/35(40%),HSは17/40(42.5%),HEDMは5/8(62.5%),Lob内腔が青で表示されたものは10/12(83.3%)であった.5)診断基準に合致しない8例では,振動子側が青のHFは20/45(44.4%),HSは30/58(51.7%),HEDMは4/7(57.1%),Lob内腔が青であったものは6/6(100%)であった.
【結論】
Bモードで観察される高エコー所見のうち,LobはCP所見として有意性が高いと思われたが,その他には線維化以外の要因が混在している可能性が示唆された.しかし早期CP/CP疑い症例では全例で不均一に観察されたことから,観察している膵全体の評価といった観点から考えると,現行の早期CP診断基準におけるEUS項目は妥当であると思われる.また,診断基準に合致しない症例においても内部不均一で観察されており,今後はこのような症例でもCPへの進展を念頭に経過観察することも重要と思われる.