Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 消化器
パネルディスカッション 消化器 2(一部英語) 脂肪肝の画像診断

(S330)

B-modeによる脂肪肝のスコアリング

Scoring of fatty liver by B-mode US

多田 俊史1, 熊田 卓1, 豊田 秀徳1, 金森 明1, 乙部 克彦2

Toshifumi TADA1, Takashi KUMADA1, Hidenori TOYODA1, Akira KANAMORI1, Katsuhiko OTOBE2

1大垣市民病院消化器内科, 2大垣市民病院形態診断室

1Gastroenterology and Hepatology, Ogaki Municipal Hospital, 2Imaging Diagnosis, Ogaki Municipal Hospital

キーワード :

【目的】
われわれは以前,B-modeによる超音波のスコアリングシステムはNAFLDにおいて肝生検で得られた肝組織像の脂肪化面積とよく相関することを報告した(乙部,他.日本病院学会雑誌,2001年).今回,慢性肝疾患例(NAFLD以外も含む)で脂肪肝のスコアリングが施行され,さらにMRIにより肝内脂肪含有量が測定された症例に対して,脂肪肝スコアリングと臨床所見の比較・検討を行った.
【対象】
当院で慢性肝疾患の精査において同一超音波機種(Aplio XG)にてB-modeによる脂肪肝スコアリングが施行され,かつMRIによるIDEAL-IQ法により肝内脂肪含有量が測定された109例である.患者背景は,男性62例,女性47例で,年齢は72(37−88)歳,背景肝はHBV 14例,HCV 76例,非B非C 19例(アルコール性9例を含む)であった.なお肝切除が施行されMRIによる肝内脂肪含有量が測定された30例も検討した.
【方法】
超音波の脂肪肝スコアは(1)Bright liver(0〜2点),(2)肝腎コントラスト(0,1点),(3)深部減衰(0〜2点),(4)脈管の不明瞭化(0,1点)の合計0〜6点にスコア化した.算出された脂肪肝スコアとBMI,HOMA-IR,総コレステロール,中性脂肪,血糖値,HbA1cおよびMRIの肝内脂肪含有量の比較を行った.さらに肝切除により得られた組織の脂肪化面積と肝内脂肪含有量も検討した.
【結果】
(1)脂肪肝スコアは1/2/3/4/5/6の順にそれぞれ78(71.6%)/9(8.3%)/12(11.0%)/4(3.7%)/5(4.6%)/ 1(0.9%)/0(0%)であった.(2)脂肪肝スコア0・1/2・3/4・5の順に,BMI値は21.9(15.6−32.5)/ 23.0(15.8−27.2)/ 25.1(21.2−30.8)(kg/m2)(P=0.037,Jonckheere-Terpstra検定)とスコア上昇に従い有意な上昇が認められた.さらにHOM-IRも2.11(0.59−20.06)/ 3.19(1.11−12.28)/ 7.22(6.93−7.50)(P=0.002,Jonckheere-Terpstra検定)とスコア上昇に従い有意な上昇が認められた.(3)血液データでは肪肝スコア0・1/2・3/4・5の順に,総コレステロールは168(99−270)/ 160(93−221)/ 152(101−173)(mg/dl)(P=0.132),中性脂肪は85(33−318)/ 89(50−247)/ 98(32−144)(mg/dl)(P=0.581),血糖は103(71−444)/ 109(54−164)/ 111(96−195)(mg/dl)(P=0.492),HbA1cは5.6(4.5−14.8)/ 5.8(4.8−7.9)/ 5.6(5.3−8.9)(%)(P=0.761)とそれぞれ有意差は認められなかった.(4)MRIによる肝内脂肪含有量は肪肝スコア0・1/2・3/4・5の順に2.20(0.40−6.20)/ 4.25(2.10−10.40)/10.90(7.10−33.50)(%)(P<0.001,Jonckheere-Terpstra検定)とスコア上昇に伴い有意な上昇が認められた.(5)組織脂肪化面積とMRI肝内脂肪含有量の相関は相関係数が0.769(95%信頼区間:0.565−0.884)(P<0.001)であった.
【考察】
B-modeによる脂肪肝スコアはNAFLD以外の患者を含めた症例集団においてもスコアが上昇すれば,BMIおよびインスリン抵抗性の指標であるHOMA-IRの有意な上昇が認められた.さらに肝切除標本の脂肪化面積と比較的良好な相関が得られたIDEAL-IQ法による肝内脂肪含有量もスコアの上昇に伴い有意な上昇が認められた.
【結論】
B-modeによる脂肪肝のスコアリングは脂肪肝の評価において簡便かつ非侵襲的な検査法として有用である.