Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 循環器
ワークショップ 循環器 負荷心エコー検査をもっと身近に

(S289)

虚血性心疾患への負荷心エコー法の現状

The stress echocardiography in patients with coronary artery disease - Now and future

兵頭 永一

Eiichi HYODO

西宮渡辺心臓・血管センター循環器内科

Cardiology, Nishinomiya Watanabe Cardiovascular Center

キーワード :

2012年より負荷心エコー法が保険診療で認められています(通常の経胸壁心エコー880点,負荷心エコー1680点).しかしながら現実として負荷心エコー法の件数は経胸壁心エコー法のわずか1〜2%しか行われておらず,件数も2012年以前よりそれほど増加していません.難しくて手を出せない,医師が興味を持たないなど“やりたくない”理由はいろいろあるでしょうが,負荷心エコー法にはそれに勝る臨床的有用性があります.虚血性心疾患患者の虚血評価法として,①運動負荷,高容量ドブタミン負荷にて最大負荷時に左室収縮能(壁運動評価)評価をすることにより虚血評価を行う方法,②負荷後に拡張能を評価することにより(diastolic stunning評価)虚血評価をする方法,③ATP負荷前後にて冠動脈血流評価を行い,coronary flow velocity reserve(CFR)を評価することにより虚血評価を行う方法の大きく3通りの使い方があると考えられます.また心筋バイアビリティー評価として④低用量ドブタミン負荷を行い,左室壁運動改善の程度を評価する方法があります.これらを日本循環器学会のガイドラインにそって説明していきたいと思います.
①の運動負荷エコー,ドブタミン負荷エコーとも利点,欠点があり,おのおの負荷のコツもありますが,最大負荷時の壁運動異常を検出するという点では一致しています.それらのコツについて解説する予定です.
②の拡張能評価ですが,我々は運動負荷直後の収縮期壁運動異常評価に加えて運動負荷5分後にスッペックルトラッキング法を用いてdiastolic stunningを評価することにより,虚血評価を行っています.また現在,多施設共同試験として,急性冠症候群患者診断におけるdiastolic stunning評価の有用性について我々の施設を含めて検討をおこなっておりますが,その現状についてお話し,臨床応用の可能性について考察したいと思います.
③のATP負荷によるCFR評価は現在,左前下行枝だけでなく右冠動脈,左回旋枝に対しても応用されています.CT全盛時代においての役割はCTにて石灰化などのため評価困難な枝のCFRを直接評価可能であり組み合わせることにより,極めて有用と考えます.
④は低用量ドブタミン負荷を行い,左室壁運動改善の程度を評価します.最近はスッペックルトラッキング法を用いて定量的に評価する方法も行われています.
これらのことから皆さんと虚血性心疾患への負荷心エコー法の今度の臨床応用の可能性ついて考察したいと思います.