Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 循環器
パネルディスカッション 循環器 1 3次元心エコーはどう使うか?

(S275)

術中3次元心エコーの先天性心疾患手術への応用

The practical application of intraoperative 3D echocardiography on congenital heart disease

瀧聞 浄宏1, 安河内 聰1, 武井 黄太1, 田澤 星一1, 仁田 学1, 島袋 篤哉1, 百木 恒太1, 内海 雅史1, 岡村 達2, 梅津 健太郎2

Kiyohiro TAKIGIKU1, Satoshi YASUKOCHI1, Kota TAKEI1, Seiichi TAZAWA1, Manabu NITTA1, Atsuya SHIMABUKURO1, Kouta MOMOKI1, Masashi UTSUMI1, Toru OKAMURA2, Kentaro UMEZU2

1長野県立こども病院循環器小児科, 2長野県立こども病院心臓血管外科

1Pediatric Cardiology, Nagano Children’s Hospital, 2Cardiovascular Surgery, Nagano Children’s Hospital

キーワード :

【背景】
心内の3次元的な詳細診断は,複雑な先天性心疾患に対する心内修復術において非常に重要である.しかし,3DCTは,心電図同期の被爆,心拍数の高い小児の同期の難しさがあり,一方で,経胸壁3D心エコーの画像は十分な解像度ではなく,経食道3D心エコーは,多くの小児患者が15kg以下で使用が困難である.このような問題を克服のため,我々は術中経心膜3次元心エコー(IPRT3DE)を施行し,心内修復術のガイドを行っている.
【対象と方法】
対象は,先天性心疾患に合併した房室弁閉鎖不全36例,心室中隔欠損に対する手技が心室内導管作成や多孔性の閉鎖と複雑であった12例,心房内の手術手技が複雑であった総肺静脈還流異常症3例の計51例(男:19).年齢は生後5日から23歳(13±12歳),体重は3から65kg(3.8±5kg).超音波装置はPhilips iE33,X5-2もしくはX7-2プローブを使用.開胸後にプローブを直接心臓にあて,4-6心拍でfull volume dateを35-65vpsで収集,手術室で3D画像を構築,外科医とその場で手術法をプランニングした.実際の手術所見と比較,手術成績も検討した.
【結果】
症例は,房室弁閉鎖不全では,房室中隔欠損8例,無脾症候群7例,Ebstein奇形4例,左心低形成症候群3例,両大血管右室起始症3,他11例.複雑な心室中隔欠損症では,両大血管右室起始症10例,大血管転位症2例.総肺静脈還流異常では傍心臓型2例,術後PV狭窄の1例であった.51例中50例(98%)で良質な3D画像が得られた.外科医による手術所見の評価では50例すべてで2D画像診断をしのぎ一致した.複雑な心室中隔欠損症をもつDORVの7例は心内導管作成が可能と判断し成功,内1例ではconusを切除してルート作成を,多孔性のVSDの2例では三尖弁,肺動脈弁,大動脈弁からの閉鎖を適確にガイドできた.さらに,3-5弁が存在する複雑な共通房室弁でもleafletの大きさ,逆流位置,メカニズムを正確かつ明瞭に描出でき,逆流も3.9±0.2から1.5±0.5へ改善した.
【結語】
IPRT3DEは,複雑な先天性心疾患の心内修復術において,良質な画像による詳細かつ正確な診断を可能とし,実際の3D画像を見ながら行う外科医との対話によって良好な結果をもたらす.