英文誌(2004-)
特別プログラム 循環器
シンポジウム 循環器 3 重症心不全と僧帽弁逆流
(S263)
経カテーテル的僧帽弁形成術の効果
Impact of transcatheter mitral valve repair
神﨑 秀明
Hideaki KANZAKI
国立循環器病研究センター心臓血管内科
Cardiovascular Medicine, National Cerebral and Cardiovascular Center
キーワード :
近年の低侵襲治療の流れは,僧帽弁形成術にも及び,本邦でもカテーテルを用いたedge-to-edge repair治療が近い将来に導入される可能が高くなった.これは,double orifice repairあるいはbow-tie repairとも呼ばれ,僧帽弁弁尖の中央をカテーテルを用いてクリップで固定し,接合させる治療である.単純な術式にもかかわらず,劇的に僧帽弁逆流は減少し,しかも経静脈アプローチによるカテーテル治療であるため,患者さんの体への負担が少なく,治療後のQOLを向上させることが期待されている.しかしながら,その術式には幾つかの制約があり,症例を選択する必要がある.また,多くの症例では開胸手術が可能であり,多様な術式が選択可能なことから,僧帽弁逆流に対する治療としては,外科的治療のほうがより有効と考えられる.今回は,心エコーの立場から,この経カテーテル的僧帽弁形成術の効果について考察をしていきたい.