Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 循環器
シンポジウム 循環器 2 虚血性心疾患の診断における心エコー図法の役割と進歩

(S258)

急性冠症候群における心臓超音波検査の活用

The role of echocardiography for the diagnosis of ACS

岩橋 徳明

Noriaki IWAHASHI

横浜市立大学付属市民総合医療センター心臓血管センター

Division of Cardiology, Yokohama City University Medical Center

キーワード :

近年,急性心筋梗塞(AMI)はuniversal definitionにより範囲が拡大しており,急性冠症候群(ACS)の診療に際し,STEMIと非ST上昇ACS(NSTE-ACS)に分けて考えて対応するようになった.ERで心エコー検査する際に重要なことは,STEMIの確定診断だけでなく除外診断および合併症の評価も施行することである.病歴や心電図と併せて迅速に精度高く評価する必要がある.その際に単独の検査での判断に固執するのではなく,他の情報も加味して考慮することが不可欠である.一般にSTEMI症例の診療では重症度や合併症評価も重要であり,心エコーが治療方針を大きく左右することも多い.また心エコーより冠動脈の病変部位が推定可能な場合もあり,冠動脈造影に先立ち正確な評価が極めて有用である.NSTE-ACSにおいては壁運動異常の検出が重要であり,日頃の修練が不可欠である.これらACS診療の際に,大動脈解離やたこつぼ型心筋障害など他の救急疾患が判明することもあり,“迅速”かつ“正確”に見落としを防ぐことが重要である.
我々はACS症例において心エコー図検査を用いて予後の推定を行っている.E/e’が有用であるが発症2週間後の施行が予後推定に有用である.
また心機能評価に関しても検討し,他のモダリティと比較すると,心臓超音波は禁忌症例がなく全例で施行できた.一方心臓MRIは腎障害症例などで施行できず梗塞サイズの計測には優れていたが制限も多かった.
ERでのACS診療に際に,我々の施設で日頃施行している心エコー検査方法を,症例を提示しつつ様々な検査を交えて具体的に解説するとともに,入院中の重症度評価や予後推定における有用性に関して報告する.