Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 基礎
ワークショップ 基礎 組織の粘弾性の定量化はどこまで可能か?

(S247)

カラードプラ法をせん断波検出に用いる連続波エラストグラフィ(CD SWI法)

Continuous shear wave elastography based on shear wave detection using color Doppler imaging(CD SWI method)

山越 芳樹1, 中島 崇仁2, 笠原 世裕1, 山崎 真有子2

Yoshiki YAMAKOSHI1, Takahito NAKAJIMA2, Toshihiro KASAHARA1, Mayuko YAMAZAKI2

1群馬大学理工学府, 2群馬大学大学院医学系研究科

1Graduate School of Science and Technology, Gunma University, 2Graduate School of Medicine, Gunma University

キーワード :

【はじめに】
組織表面に置いた小型加振器でせん断波を組織内に励起する連続波エラストグラフィは,せん断波の侵入深さにより対象が乳腺,甲状腺などに限定されるが,このような体表組織の弾性を評価するには簡便な方法である.しかし連続的なせん断波は組織境界で屈折,反射し,定在波を生じやすいので従来,定量性の向上を図ることは難しいと考えられてきた.我々は,組織内を伝播する連続的なせん断波播を実時間で可視化できる新たなエラストグラフィColor Doppler Shear Wave Imaging(CD SWI)法を提案した1).この方法は,せん断波の周波数条件,振幅条件という条件が必要であるが,せん断波の伝播方向やROI内に形成された波面の質を考慮し測定ができるので定量性の向上が期待できる.
【方法】
本稿ではCD SWI法で得られる位相マップに,特定方向に伝播するせん断波を抽出する方向フィルタを組み合わせることで速度計測と波面の定量性を向上させる新たな方法を提案する.この方法により連続波エラストグラフィの欠点である反射,屈折,反射による定量性の劣化を改善できるだけでなく,加振点の最適選択など小型加振器をせん断波の励振に使うエラストグラフィの課題を解決できる.
【結果】
IRB承認の下で提案法を乳腺に適用した.小型・軽量(長さ45mm,重さ30g)のリニア振動モータの先端に直径10mm長さ30mmの加振ヘッドを取り付けてせん断波を励振した.周波数は296.6Hzである.超音波映像装置はフィリップス社HD11XE(12-3MHリニアプローブ)を使い,PC内で方向フィルタ処理を行うことで進行波成分だけを抽出した.結果を図に示すが,乳腺内を伝わるせん断波の波面が見て取れる.
【まとめ】
連続波を用いるせん断波エラストグラフィの定量性向上には,せん断波の波面を実時間で可視化し最適なせん断波波面をROI内に形成できるよう加振点を決定すること,また可視化結果から伝播速度の測定に適する波面を抽出し伝搬速度計測を行うことが必要になる.提案したCD SWIエラストグラフィは,これらを非常に低廉なシステムで実現できる方法と考えられる.
1)Y.Yamakoshi, et al. Ultrasonic Imaging, 37,4,323(2015).