Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 基礎
パネルディスカッション 基礎 高速撮像技術の拓く超音波イメージングの未来

(S245)

バブル前駆体存在下での超音波の機械的作用の高速撮像によるモニタリング

Ultrafast acoustic observation of ultrasonically-induced mechanical effects in the presence of microbubble precursors

川畑 健一1, 丸岡 貴司1, 浅見 玲衣1, 吉川 秀樹1, 蘆田 玲子2

Kenichi KAWABATA1, Takashi MARUOKA1, Rei ASAMI1, Hideki YOSHIKAWA1, Reiko ASHIDA2

1日立製作所研究開発グループ, 2大阪府立成人病センター消化器検診科

1Research & Development Group, Hitachi, Ltd., 2Department of Cancer Survey, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Diseases

キーワード :

【緒言】
米国Michigan大を中心に,Histotripsyと呼ばれる超音波の非熱的作用,特に機械的作用による治療法の研究開発が進んできている.我々はHistotripsy的手法を用いたがん治療に関し,より適用範囲を広げるため,増感剤(相変化ナノ液滴(PCND))を共存させることで必要となる超音波強度を低下させる手法の検討を行っている(Bubble-Seeded Histotripsy(BSH)).BSHの治療モニタリングに関しては,これまでに治療部位がstrain imagingにおいて柔らかい部位として表示可能なことこと,shear waveが伝搬しない部位として表示可能なことなどがわかってきている.しかしながら,BSHにおいてはPCNDからマイクロバブル(MB)が生成し,そのMBの影響のためstrain imagingおよびshear wave imagingはリアルタイムでの適用ができない.今回,超音波照射時のMBの挙動を指標とするリアルタイムモニタリング手法を開発することを最終目標として,BSHにおける超音波照射時のMBの挙動を高速超音波撮像により観察した.
【実験方法】
PCNDは,低沸点化合物としてC5F12を,高沸点化合物としてC6F14を含む平均粒径400nmのものを用いた.このPCNDをポリアクリルアミドゲル中に液相として封入,あるいはトリささみ肉内に局注し,1MHzのパルスHIFU(〜3kW/cm2, 300波,PRF: 0.1kHz)を継続的に照射した.パルスHIFU照射と同期させた状態で,照射対象をVerasonics社Vantage 256に接続したL7-4プローブ(4.5 MHz)にて6250フレーム/秒で撮像した.
【結果と考察】
最初に,アクリルアミドゲル中で検討を行った.パルスHIFU照射により,各パルス照射直後にMBが生成し数ミリ秒程度の時間振動した後に一部のMBが残存する様子が観察された.パルス照射回数が多くなるに従って,パルス照射直後のMB生成によるエコー強度の増大,および生成したMBの残存率の増大が見られた.次に,トリささみ肉にて検討を行った.ゲル内の実験と同様,各パルス照射直後にMBが生成し数ミリ秒程度の時間振動した後に一部のMBが残存する様子が観察された.ゲル,生体組織いずれにおいても,パルス照射回数が長くなるに従って各パルスで生成したMBの振動時間が長くなる現象が見られたことから,超音波の機械的作用により対象の構造が破壊され,MBが振動しやすくなっているのではないかと考察される.今後,この現象を用いた新規な治療効果モニタリングに関してさらに検討を行う予定である.
【謝辞】
本発表の一部は,日本超音波医学会の研究開発班活動の一部として行ったものである.