Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 基礎
シンポジウム 基礎 3 超音波治療の臨床応用最前線

(S241)

ソナゾイド®と超音波内視鏡を用いた胃癌の遺伝子治療の可能性

Potential gene therapy with introduction of short-hairpin RNA frizzled-2 into gastric cancer cells with endoscopic ultrasound enhanced with Sonazoid®

富澤 稔1, 篠崎 文信2, 本吉 慶史3, 杉山 隆夫4, 山本 重則5, 石毛 尚起6, 吉田 孝宣7

Minoru TOMIZAWA1, Fuminobu SHINOZAKI2, Yasufumi MOTOYOSHI3, Takao SUGIYAMA4, Shigenori YAMAMOTO5, Naoki ISHIGE6, Takanobu YOSHIDA7

1独立行政法人国立病院機構下志津病院消化器内科, 2独立行政法人国立病院機構下志津病院放射線科, 3独立行政法人国立病院機構下志津病院神経内科, 4独立行政法人国立病院機構下志津病院リウマチ科, 5独立行政法人国立病院機構下志津病院小児科, 6独立行政法人国立病院機構下志津病院脳神経外科, 7独立行政法人国立病院機構下志津病院内科

1Department of Gastrotenterology, National Hospital Organization Shimoshizu Hospital, 2Department of Radiology, National Hospital Organization Shimoshizu Hospital, 3Department of Neurology, National Hospital Organization Shimoshizu Hospital, 4Department of Rheumatology, National Hospital Organization Shimoshizu Hospital, 5Department of Pediatrics, National Hospital Organization Shimoshizu Hospital, 6Department of Neurosurgery, National Hospital Organization Shimoshizu Hospital, 7Department of Internal Medicine, National Hospital Organization Shimoshizu Hospital

キーワード :

【目的】
超音波内視鏡(EUS)は胃癌の進展範囲と深達度の診断に優れている.Frizzled-2はWnt pathwayのレセプターである.Frizzled-2のshort hairpin(shRNA-Fz2)を導入すると胃癌細胞株(MKN45,MKN74)の増殖は抑制される.ソナゾイド®は造影超音波検査の日常診療に用いられている.そこで今回我々は,ソナゾイド®がEUSによるshRNA-Fz2の胃癌細胞株への導入が増強され,細胞増殖が抑制される可能性を検討した.統計解析にはone-way analysis of varianceを用いた.
【方法】
底が厚さ190μmのpolystyrene filmの96孔プレート(Greiner Bio-One)の底にEUS(GF-UCT260,オリンパス)の先端にバルーンを装着して水を入れて密着させ,12MHz,1分間超音波を照射した.1孔あたり0.05Mヨウ化カリウム+5mg/mlデンプン溶液にソナゾイド®を0,1,3,10,30%混合した100μlを入れたのちマイクロプレートにて490nmの吸光度を測定した.胃癌細胞株(MKN45,MKN74,理研細胞バンク)を1孔あたり1000個播きpMetLuc2-control(Promega)100ngをOpti-MEM(Life Technologies)50μlに溶解した.ソナゾイド®を0,1,3,10,30%混合した.EUSにて照射48時間後ルシフェラーゼ・アッセイを行った.ShRNA-Fz2を1孔あたり100ng添加しEUSにて照射72時間後MTSアッセイにて細胞増殖を解析した.
【結果】
ヨウ素デンプン反応ではソナゾイド®30%では0%に比して吸光度が18×10-3,5.5×10-3と有意に増加した(P<0.05).ルシフェラーゼ・アッセイでは,MKN45ではソナゾイド®30%は0%に比して8.5×103,5.9×103と有意に増強した(P<0.05).MKN74でもソナゾイド®30%は0%に比して4.8×103,5.4×103と有意に増強した(P<0.05).ShRNA-Fz2を導入するとMKN45,MKN74ではソナゾイド®30%は0%に比してそれぞれ75.8%(P<0.05),53.9%(P<0.05)と有意に細胞増殖が抑制された.
【結論】
ソナゾイド®が存在するとEUS照射にてフリーラジカルが生じ,sonoporationが生じることが示された.胃癌細胞株にEUSにてプラスミドが導入されることが示された.細胞増殖を抑制するプラスミドがソナゾイド®の存在下にEUSにて胃癌細胞株に導入されて細胞増殖が抑制されたことは,将来的にはEUSを用いた胃癌に対する遺伝子治療の可能性が示唆された.