Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 基礎
シンポジウム 基礎 1 光と超音波の融合によるイメージングモダリティの新展開(日本超音波医学会光超音波画像研究会との共同企画)

(S230)

画像差分シュリーレン法による減衰媒体中の超音波音場の可視化と周波数依存性減衰評価

Visualization of ultrasound fields in attenuating media and evaluation of frequency dependent attenuation using image subtraction Schlieren technique

飯島 優季奈, 工藤 信樹

Yukina IIJIMA, Nobuki KUDO

北海道大学大学院情報科学研究科生命人間情報科学専攻

Division of Bioengineering and Bioinformatics, Graduated School of Information Science and Technology, Hokkaido University

キーワード :

【背景・目的】
超音波診断装置の安全性評価には生体内の音圧を知る必要性があり,ハイドロホンで測定した水中での音圧波形に生体の減衰係数を乗じることにより推定されている.しかし,非線形媒体中を伝搬する広帯域パルスの周波数依存性減衰を補正することは難しい.そこで本報告では,透明度の高い減衰媒体を伝搬する超音波の減衰を画像差分シュリーレン法により観察し,メンブレンハイドロホンを用いて測定した音圧波形と比較した結果について述べる.
【方法】
実験では減衰媒体としてひまし油(034-01586,和光純薬工業)を使用した.超音波振動子としては中心周波数10 MHzの平面型振動子(V311,オリンパス)を用い,パルサーレシーバー(1050PRJ,ACCUTRON)により駆動した.画像差分シュリーレン法(Kudo N, Ultrasound Med Bio, 41:2071-2081,2015)では光源とカメラを対向して設置し,その間にひまし油の入った水槽を置き撮影を行った.可視化の感度を向上するために超音波音場の中心位置から光源側に20 mmの位置にカメラフォーカスを設定した.音圧の測定にはメンブレンハイドロホン(MHA-500B, NTR Systems)を用いた.水を満たした水槽の底部にメンブレンハイドロホンを受圧面に上向きに置き,その直上にひまし油を入れた小水槽を配置した.ひまし油中に沈めた振動子からハイドロホンに向けて広帯域パルスを発生し,ひまし油で減衰した超音波の音圧波形を計測した.
【結果および検討】
ひまし油伝搬後3 mmの位置で得られた音場像の中心音軸上における輝度分布とその一階積分波形を,ハイドロホンにより測定した音圧波形と比較した結果をFig. 1(a),(b)に示す.輝度分布は音場像から計測した音速を用いて時間波形に換算した.輝度分布ではなく,その一階積分波形が音圧波形によく一致する結果となった.さらに,ひまし油中の伝搬距離を3,8,13 mmに設定して取得した一階積分波形と音圧波形の周波数スペクトルを求めた結果をそれぞれFig. 2(a),(b)に示す.結果より,ひまし油中を伝搬した距離が長いほど高周波帯域に強い減衰が生じることが画像差分シュリーレン法でも確認することができ,その傾向はハイドロホンと共通していた.
【結論】
画像差分シュリーレン法はハイドロホン計測ができない減衰媒質中でも音圧波形の減衰を反映する波形が得られることが示された.