Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

特別プログラム 領域横断
シンポジウム 領域横断 Joint2(JSUM・AFSUMB Joint Session)(English) 3D超音波の臨床応用

(S196)

腹部疾患の回転3D表示の有用性

3Dsonography:role of rotation display

石田 秀明1, 渡部 多佳子1, 宮内 孝治2, 大山 葉子3, 長沼 裕子4, 鈴木 克典5, 小川 眞広6, 黒田 英克7, 長井 裕8, 矢野 雅彦9

Hideaki ISHIDA1, Takako WATANABE1, Takaharu MIYAUCHI2, Yoko OHYAMA3, Hiroko NAGANUMA4, Katunori SUZUKI5, Masahiro OGAWA6, Hidekatu KURODA7, Hiroshi NAGAI8, Masahiko YANO9

1秋田赤十字病院超音波センター, 2秋田赤十字病院放射線科, 3秋田厚生医療センター臨床検査科, 4市立横手病院消化器科, 5山形県立中央病院消化器科, 6日本大学病院消化器肝臓内科, 7岩手医科大学消化器肝臓内科, 8NGI研究所, 9東芝メディカルシステムス超音波担当

1Department of Diagnostic Ultrasound, Akita Red Cross Hospital, 2Department of Radiology, Akita Red Cross Hospital, 3Medical Laboratory, Akita Kousei Medical Center, 4Department of Gastroenterology, Yokote Municipal Hospital, 5Department of Gastroenterology, Yamagata Prefectural Central Hospital, 6Department of Gastroenterology and Hepatology, Nihon University Hospital, 7Division of Gastroenterology and Hepatology, Iwate Medical University, 8New Generation Imaging Laboratory, 9Toshiba Medical Systems

キーワード :

超音波3Dプローブでvolume dataを収得し,そのデータを多様に活用するのが超音波3D法である.活用法としては,multiplane display, cavity mode, fly thru,などがあるが,現時点で表示法がモニター画面に画像を投影する2D表示である事が大きな問題点となっている.この欠点を補うものとして表示断面を自動回転し多方向からの情報を読み手の認識に与える技術が回転表示法である.姑息的ではあるが,現時点でこの方法で読み手の脳内に3D像を再構築させる事が,単なる一断面の固定表示より診断面での安定感が増すと思われる.我々がこれまで本学会で報告してきたBモード情報の回転3D表示について述べ,次いで,カラードプラ,SMI(Superb micovascular imaging),そして,Shear wave elastography(SWE)の回転3D表示について,その診断面での付加価値について述べる.
使用診断装置:東芝社製:AplioXG,500.超音波造影剤はソナゾイド®(第一三共社)を用い,造影方法は通常の肝腫瘍のそれに準じた.
1)Bモードの回転3D表示の付加価値:腹部病変の診断にその輪郭の状態の把握はとても重要である.代表的な断面の固定表示でもその目的は有る程度は達成できるが,回転3D表示により,病変部の輪郭の全体像が一層理解しやすくなり,単純嚢胞と膿瘍の差異,などの客観的把握に有用である.
2)カラードプラの回転3D表示の付加価値:カラードプラ検査の中心は脈管の表示である.このときの問題点として従来から,固定断面では(たとえどのような断面を選択しても)多数本の脈管が絡み合っている場合,お互いの前後関係や交通の有無に誤認が生ずることがある.回転3D表示は誤認を防止し診断能向上に貢献する.
3)SMIの回転表示の付加価値:これは基本的には2)と同様であるが,大きな脈管同士の相互関係の理解のためには通常のカラードプラの回転表示(2)が,腫瘍血管などの微細脈管系の全体像の理解のためにはSMIの回転表示(3)が適していると思われる.
4)SWEの回転3D表示:各段面のSWE表示を重ね合わせたもので,ある一点から放射されたpush pulseから発生したShear waveの立体的な伝搬を立体的に表示しているものではない.しかし,それでも病変部の全体像の大まかな理解には有用である.
なお,現時点では,1)2)では超音波3Dプローブで収得したvolume dataの活用であるが,3)4)はfree handで収得したvolume dataの活用である.
【まとめ】
超音波3D法の活用は多彩であるが表示がいまだ2D画面であることは,得られた3D情報を十分活用しているとは言い難い.将来はホログラムなどでこの目的が達成されると期待されるが,当面は回転表示を積極的に活用することが(中間措置として)良いと思われる.また,回転3D表示は,超音波診断専門医の診断能向上のみならず,超音波像に不慣れな医師に対して超音波画像を理解させる時にも有用と思われる.