Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

一般口演 健診
健診 

(S706)

当院における超音波を用いたアキレス腱肥厚スクリーニング結果

Screening of Achilles tendon thickness using ultrasonography

佐藤 正岳

Masatake SATO

聖隷横浜病院循環器内科

Cardiology, Seirei Yokohama Hospital

キーワード :

【目的】
家族性高コレステロール血症(FH)診断基準の項目の一つにアキレス腱肥厚が含まれているが,肥厚の診断は軟線撮影により9mm以上が推奨されている.超音波を用いた評価は可能であるが,まだ標準化されていない.このため超音波を用いたアキレス腱肥厚スクリーニングの有用性について検討した.
【対象】
2014/3/27-2014/12/11当院で心エコー図検査を施行時に同時にアキレス腱を超音波で測定した患者162名(女性65名)を評価した.アキレス腱外傷歴がある患者は除外した.
【方法】
記述研究.超音波検査ならびに測定はともに1名で行った.使用した超音波装置は東芝Aplioで10MHzプローブを用いた.仰臥位で膝を屈曲した状態で腱を強く押さないように注意し,左右それぞれのアキレス腱に対して長軸,短軸方向で測定した.
【結果】
アキレス腱厚は短軸垂直方向における測定で左右差なく4.8±0.7cmであった.うち女性4.7±0.8cm,男性4.8±0.6cmで性差は認められなかった.長軸方向での測定結果も同様であった.短軸方向で測定したアキレス腱幅は右14.0±1.6cm,左14.7±1.5cmであった.アキレス腱厚6mm以上の肥厚を認めた患者が8名認められた.このうちFHヘテロ接合体疑い1名,高Lip(a)血症患者3名であった.
【結論】
超音波を用いたアキレス腱厚の測定は誤差が少なく,アキレス腱肥厚の有無をスクリーニングする方法として有用な方法である.