Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

一般口演 甲状腺
甲状腺・副甲状腺 

(S672)

3Dプリンターを用いた甲状腺ファントムの作成

Production of thyroid phantom using a 3D printer

進藤 久和1, 馬場 雅之1, 2, 松尾 直門1, 2, 矢野 洋1, 山崎 直哉1, 2, 永安 武1, 2

Hisakazu SHINDO1, Masayuki BABA1, 2, Naokado MATSUO1, 2, Hiroshi YANO1, Naoya YAMASAKI1, 2, Takeshi NAGAYASU1, 2

1長崎大学腫瘍外科, 2長崎大学大学院ハイブリッド医療人養成センター

1Division of Surgical Oncology, Nagasaki University, 2Medical-Engineering Hybrid Professional Development Program, Nagasaki University Graduate School

キーワード :

【目的】
甲状腺疾患の診療には穿刺吸引細胞診(FNAC)が欠かせない.甲状腺の周囲には解剖学的に重要な臓器が隣接しており,超音波ガイド下に穿刺を行うには技術を要する.しかし乳腺領域と比較して,甲状腺のファントムは普及しておらず,トレーニングが行えない.そこで3Dプリンターを用いて,甲状腺や周囲臓器モデルを立体構築し,甲状腺ファントムを作製し,修練医等のシミュレーションに活用することを考えている.
【方法】
頸部CT画像から画像解析ソフト(Zed View)を用いて3D画像に再構築し,3Dプリンター(Stratasys Objet260 Connex)を用いて,樹脂性の臓器モデルを作製した.3Dプリンターで用いる材料(ゴムライク樹脂)は超音波を透過しないため,安全,安価,容易に入手できる超音波を透過する材料として,寒天,ポリビニルアルコールとホウ砂の混合剤,アルギン酸ナトリウムなどを用いた.頸部全体,甲状腺および甲状腺内の腫瘍部,内頚静脈は3Dプリンターで鋳型を作製し,これらの材料を充填した.
【結果】
いくつかの試作モデルを作製したが,甲状腺周囲の超音波所見を比較的再現することができ,修練医のエコーガイド下穿刺のトレーニングが可能であった.
【結論】
今後,さらに安定した材質を用いて,簡素化したファントム作製に取り組んでいる.