原 由起子, 櫻井 健一, 長島 沙樹, 鈴木 周平, 和賀 瑛子, 前田 哲代, 平野 智寛, 榎本 克久, 天野 定雄

Yukiko HARA, Kenichi SAKURAI, Saki NAGASHIMA, Syuhei SUZUKI, Eiko WAGA, Tetuyo MAEDA, Tomohiro HIRANO, Katuhisa ENOMOTO, Sadao AMANO

日本大学医学部乳腺内分泌外科

Division of Breast and Endocrine Surgery, dept. of Surgery, Nihon University School of Medicine

キーワード :

【はじめに】
近年検診でも超音波検査が行われるようになってきており，経過観察と診断される症例も増加している．過去一年に当院で超音波を用いて半年ごとに経過観察を行い，DCISを発見した症例を5例経験したので報告する．
【症例1】
超音波検診で異常を指摘され，当科初診．超音波で左AC領域6mmの低エコー腫瘤を認めた．外来で約2年経過観察し，腫瘤増大認めたため腫瘤摘出術施行．DCISの診断となった．
【症例2】
検診MMGで異常を指摘され当院初診．超音波で多発嚢胞を認め外来で経過観察を行っていた．8年目の経過観察の超音波で右AC領域に11mmの低エコー腫瘤認め，CNB施行し，DCISの診断となった．
【症例3】
検診MMGで異常を指摘され当科初診．超音波で右C領域に12mmの混合性腫瘤を認めた．FNAC施行するもclassllであり経過観察していた．2年半後の超音波で周囲に拡張乳管を伴っていたため再度CNB施行し，DCISの診断となった．
【症例4】
検診の触診で乳房腫瘤を指摘され，腫瘤摘出術施行．乳管内乳頭腫の診断でその後経過観察を行った．4年後の超音波検査で右A領域に6mmの低エコー腫瘤を認めCNB施行し，DCISの診断となった．
【症例5】
血性乳頭分泌を主訴に当科初診．初診時の超音波では明らかな異常認めず，乳頭分泌物細胞診でもclasslllであり経過観察していた．1年後の超音波検査で左C領域に7mmの低エコー腫瘤認め，腫瘤摘出術施行しDCISの診断となった．
【結語】
今回当院で半年おきに超音波で経過観察を行い，早期の乳癌を発見し得た5例を経験した．