Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

一般口演 乳腺
乳腺 

(S658)

超音波検査を付加した乳癌検診の有用性について

The usefulness of Mammography plus ultrasonography for breast cancer screening

櫻井 健一1, 2, 藤崎 滋2, 原 由起子1, 2, 権田 憲士3, 富田 凉一2, 鈴木 周平1, 2, 天野 定雄1, 前田 哲代1, 2, 平野 智寛1, 榎本 克久1

Kenichi SAKURAI1, 2, Shigeru FUJISAKI2, Yukiko HARA1, 2, Kenshi GONDA3, Ryuichi TOMITA2, Shuhei SUZUKI1, 2, Sadao AMANO1, Tetsuyo MAEDA1, 2, Tomohiro HIRANO1, Katsuhisa ENOMOTO1

1日本大学医学部外科学系乳腺内分泌外科分野, 2医療法人社団藤崎病院外科, 3埼玉医科大学国際医療センター消化器腫瘍科

1Division of Breast and Endocrine Surgery, Department of Surgery, Nihon University School of Medicine, 2Department of Surgery, Fujisaki Hospital, 3Department of Gastroenterological Oncology, International Medical Center, Saitama Medical University

キーワード :

【目的】
乳癌1次検診における超音波検査付加の有用性について明らかにする.
【対象】
2012年1月より2013年12月までに,対策型および任意型の乳癌1次検診で要精査となり当科を受診し,記録が明らかな症例を対象とした.
【方法】
確定診断を得る方法について調査をおこなった.統計学的検定は多変量分散分析法を用いてp<0.05を有意差ありと判定した.
【結果】
対象期間の2年間に当科外来を受診した総患者数49165名のうち新患者数は3245人であった.このうち1次検診を受けて異常ありと判定されて2次検診目的に来院した患者さんは1021人であった.このうち対策型検診は764人,任意型検診は257人であった.2次検診の結果,35.3%が最終的に乳癌の診断であった.乳癌であった頻度を検診別でみると,対策型:31.0%,任意型:48.2%であり,有意に任意型が多かった.また,早期乳癌(Stage0+I)であった頻度は全体で15.6%であり,対策型に比べて任意型が有意に多かった.対策型が全例(764人)視触診+マンモグラフィ検査(MMG)のみであったのに対して,任意型は視触診+MMGに加えて86.8%(223/257)に超音波検査が施行されていた.
【結語】
乳癌1次検診に,視触診+MMGに加えて超音波検査を付加することは,乳癌発見確率を高める可能性が示唆された.また,早期乳癌の発見確率も高めるため,有益であると考えられた.