Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

一般口演 産婦人科
胎児異常③ 

(S644)

HDliveシルエット・HDliveフローの胎児診断における臨床的意義は?

Clinical Significance of Novel Techniques of 3D HDlive Silhouette and HDlive flow in Fetal Diagnosis

夫 律子

Ritsuko POOH

クリフム夫律子マタニティクリニック臨床胎児医学研究所胎児診断部門

Fetal Diagnosis Unit, CRIFM Clinical Research Institute of Fetal Medicine PMC

キーワード :

【目的】
超音波診断において2014年に新機能としてHDliveシルエット・HDliveフローが加わり,子宮内の胎児や血液循環が従来よりもかなり詳細に描出できるようになった.これらの最新機能を使った画像を検討し,胎児診断における臨床的意義について考察を加える事を目的とした.
【対象】
2014年10月から12月までの3ヶ月間で胎児詳細超音波検査(胎児ドック)を行った1125例.
【方法】
胎児ドックにおいて,初期胎児・中後期胎児の脳・心臓を含む各臓器の描出・胎盤循環・心内血流・脳内血流などの描出をHDliveシルエット・HDliveフローを使用して行った.使用機器はGE Healthcare社製VOLUSON E10,プローブは経腹3D/4Dプローブ(RM6C),経膣3D/4Dプローブ(RIC6-12D),経腹電子3D/4Dプローブ(eM6C)を使用した.
【結果】
HDliveシルエット法を使用する事により妊娠初期における子宮内GSや胎児脳室の描出や嚢胞性疾患,妊娠中期の眼球内硝子体や水晶体などの描出が行えたが,さらにHDliveシルエットモードを応用して妊娠初期胎児の頭蓋骨や妊娠中期胎児の椎骨・肩甲骨・鎖骨などの骨描出が可能である事がわかった.またHDliveフローにて,妊娠初期子宮内血流・6週からの初期胎児の全身血流,妊娠12週からの肺動静脈血管の描出,脳内詳細血管の描出,妊娠16週からの眼内硝子体動脈の描出などが行い得た.
【結論】
最新機能HDliveシルエット・HDliveフローを使用して子宮内胎児の種々の部位の描出を試みたが,これらの新モードにはかなりの潜在性のポテンシャルがあり胎児診断においてさらに詳細かつ正確・客観的な超音波描出が可能であることが期待される.胎児3D-CTで描出されるような骨系統疾患も,本法のようなNon Invasiveな方法で行うことが可能となるか,さらに症例を検討して報告していきたいと考えている.