Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

一般口演 消化器
SMI 

(S600)

改良型ドプラ機能(SMI)による肝腫瘍の観察

Superb microvascular imaging in liver tumor: our preliminary experience

中島 康介1, 鈴木 克典1, 佐藤 純子2, 赤塚 れい子2, 伊藤 千代子2, 長沼 裕子3, 渡部 多佳子4, 石田 秀明4, 井鳥 杏菜5

Kosuke NAKAZIMA1, Katsunori SUZUKI1, Junko SATO2, Reiko AKATSUKA2, Chiyoko ITO2, Hiroko NAGANUMA3, Takako WATANABE4, Hideaki ISHIDA4, Anna ITORI5

1山形県立中央病院消化器内科, 2山形県立中央病院中央検査部, 3市立横手病院消化器内科, 4秋田赤十字病院超音波センター, 5東芝メディカルシステムズ株式会社超音波担当

1Department of Gastroenterology, Yamagata Prefectural Central Hospital, 2Department of Medical Laboratory, Yamagata Prefectural Central Hospital, 3Department of Gastroenterology, Yokote Municipal Hospital, 4Center of Diagnostic Ultrasound, Akita Red Cross Hospital, 5Department of Ultrasound Systems Group, Toshiba Medical Systems Corporation

キーワード :

【はじめに】
最近開発されたSMI(Superb microvascular imaging)は,微細な低速血流をreal-timeに観察可能なドプラ技術である.今回これを用い肝腫瘍の内部血管構築の表示能に関し従来のカラードプラ法と比較して若干の知見を得たので報告する.
【診断装置】
東芝社製:Aplio500,超音波造影剤:ソナゾイド®(第一三共社)で,造影は通常の肝腫瘍の造影方法に準じた.
【対象と方法】
1)上記装置を用い肝腫瘍28例(HCC13例,肝転移2例,肝内胆管癌2例,肝血管腫9例,肝血管筋脂肪腫1例,FNH1例)に関しSMIと従来のカラードプラ所見を比較した.2)これら28例中7例(HCC6例,肝内胆管癌1例)に関して,造影超音波検査とSMIを組み合わせて病巣を下記の条件で観察した.検査条件は,主にSMI検査,カラードプラ検査の際,検査条件はノイズが出ないぎりぎりのところで腫瘍内外の血流を観察した.なお,SMI検査ではframe rate: 40-60/sec,流速レンジ1-2cm/sec,カラードプラ検査ではframe rate: 5-15/sec,流速レンジ7-10cm/sec,程度であった.造影SMIは,造影超音波検査の観察時SMIで同じ断面を観察したが,MI値はoutputを4%程度まで下げMI0.2前後とした.SMI検査のタイミングは早期血管相の観察終了直後,門脈優位相観察直後とした.これは造影超音波検査で最も重要な所見である早期血管相では安定した通常の造影超音波検査での観察を優先したためである.
【結果】
1)HCC,肝内胆管癌,肝転移,FNHでは,SMIが従来のカラー表示に勝っていた.しかし,肝血管腫では2/9例(22%)でSMIが従来のカラー表示に勝っていたが7/9例(78%)では両者は同等であった.2)2/7(29%)で早期血管相直後の造影SMIが非造影SMI(以下単純SMI)に勝り,1/7(14%)で門脈優位相直後の造影SMIが非造影SMI(以下単純SMI)に勝っていた.残りの場合は両者間にあまり差異はみられなかった.
【考察】
現在,肝腫瘍の超音波診断は造影超音波法が主軸となっているが,検査時間が長いこと,異物の注入が必要であること,検査料金がかなり高額になるなど問題点もある.一方,現在のドプラ検査に関しても,カラー表示の空間分解能が十分でない,frame rateが10/sec程度と遅く,細部の観察には問題がある.今回検討したSMIは,体内の動きやノイズをframe毎に詳細にチェックしそれに合わせ削除する信号の閾値を変えるフィルター技術と考えられ,今回の検討結果からも,上記の(従来の)カラー表示の問題点をかなり解決してくれると期待できる.今後,造影超音波検査施行に抵抗がある施設や施行者にとってもSMIは全く問題ないため今後臨床の場で広く用いられることが望まれる.一方,造影超音波検査と組み合わせた造影SMIは単純SMIの表示能をさらに向上させるが,これに関しては現時点でそれに対応するMI値の細かい設定が出来ないという装置上の設定の制約のため,また,今回のSMI検査のタイミングも早期血管相開始直後ではないなど,今回の結果はあくまで参考に過ぎず,今後適切な検査条件下に造影SMIが多数例に施行されたときに初めて造影SMIの臨床的意義が確立されるものと思われる.