Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

一般口演 消化器
脂肪肝 

(S589)

NASH高危険群囲い込みにおける櫛状エコーの有用性について

Evaluation of the Comb like shadow in patients with NAFLD

篠原 正夫1, 松清 靖1, 池原 孝1, 和久井 紀貴1, 篠原 美絵1, 渡邉 学1, 山本 慶郎1, 五十嵐 良典1, 根本 哲生2, 住野 泰清1

Masao SHINOHARA1, Yasushi MATSUKIYO1, Takashi IKEHARA1, Noritaka WAKUI1, Mie SHINOHARA1, Manabu WATANABE1, Yoshirou YAMAMOTO1, Yoshinori IGARASHI1, Tetsuo NEMOTO2, Yashukiyo SUMINO1

1東邦大学医療センター大森病院消化器内科, 2東邦大学医療センター大森病院臨床病理部

1Dept. of Gastroenterology & Hepatology, Toho University Ohmori Medical Center, 2Dept. of Clinical Pathology, Toho University Ohmori Medical Center

キーワード :

【目的】
近年我が国においても非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の症例が増加している.NASHの診断には肝生検組織所見が重要であるが,単純性を含む脂肪肝全例に肝生検を施行するのは難しく,非侵襲的手法による診断や高危険群の囲い込みが強く求められている.
そこで我々は,NASHが元来アルコ−ル性肝炎類似の組織所見を呈する疾患である事に注目し,両者の超音波所見を比較検討した結果,櫛状エコーが共通の特徴的所見であるという成績を得,報告した.今回は症例を増し,NASH高危険群囲い込みにおける櫛状エコーの有用性について検討した.
【対象及び方法】
2004年8月から2014年12月までの間に当院で組織診が得られた非アルコール性脂肪性肝障害(NAFLD)79例〔組織学的にNASHと診断した症例60例;年齢24-77歳(中央値60歳),男性31例,女性29例,単純性脂肪肝と診断した19例;年齢16-71歳(中央値36歳),男性14例,女性5例〕を対象とした.装置は東芝AplioXG, 3.75MHzのコンベックス型プローブを使用し,NAFLDにおけるBモード画像とくに櫛状エコーについて比較検討した.組織学的な脂肪化の程度は,脂肪滴沈着が小葉の30%未満を軽度,30%-50%を中等度,50%以上を高度と判定した.
【結果】
組織学的にNASHと診断された60例のうち櫛状エコーありは50例,なしは10例であった.櫛状エコーがなかった10例中9例が軽度の脂肪化,1例が中等度の脂肪化であった.単純性脂肪肝と診断された19例のうち櫛状エコーありは12例,なしは7例であった.櫛状エコーが認められた12例は全例中等度以上の脂肪化を呈しており,9例が高度脂肪化であった.
【考察】
櫛状エコーのNASH診断能は,感度83.3%,特異度36.8%,正診率72.2%とあまり高いとは言えないが,脂肪肝の中から肝生検対象を囲い込む手段として,検討する価値のある所見と考えられた.また,櫛状エコーが認められたにも関わらず,組織学的に単純性脂肪肝と診断された症例は,小葉の50%以上を占めるような高度脂肪化症例が多く,NASH予備群と考えられた.一方で,組織学的にNASHであったにも関わらず櫛状エコーが認められなかった症例は,脂肪化が軽度である事が一因と考えられた.