英文誌(2004-)
一般口演 消化器
肝腫瘍(治療②)
(S579)
肝外転移に対する超音波ガイド下ラジオ波焼灼療法
US guided-RFA for extrahepatic malignancies
佐藤 新平
Shinpei SATO
杏雲堂病院消化器肝臓内科
Gastroenterology, Kyoundo Hospital
キーワード :
【背景と目的】
肝癌の予後が延長するにつれて肝外転移の出現頻度が増加している.
我々は肝外転移に対しても積極的にラジオ波焼灼療法(RFA)を実施している.適応としては肝内病変が比較的コントロールされ,肝外転移に対して有効な治療がなく,全身状態が良好な患者である.今回,肝外転移に対するRFAの成績を検証した.
【方法】
過去5年間でのべ263人にRFAが施行されたが,このうち肝外転移にRFAが施行されたのは12例(5%)であった.この12例は他に有効な治療がないと診断されたものであった.
内訳は副腎転移4例,骨転移3,脾臓転移2例,腹膜播種2例,腎臓転移1例である.
全例同意を取った後,自費診療で行われた.全例,経皮的に静脈麻酔か全身麻酔下で行われ,cool tip針を使用した.使用した超音波機器はAplio500,穿刺プローブはコンベックス型PVT-350BTPである.
【結果】
全例肝外病変であっても超音波で認識可能であった.全例合併症なく,安全に施行された.CTによる効果判定では1例以外は残存なく経過良好であった.肝外転移のRFA後,MSTは14.6か月であった.肝内病変がコントロールされていた症例のMSTはコントロール不良症例のMST13.5か月より有意に予後良好であった.
【結語】
全例安全に超音波下で治療は完遂できた.症例を限定すれば肝外転移のRFAも有用であると思われる.