Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

一般口演 消化器
肝腫瘍(治療①) 

(S573)

RFAの焼灼範囲を決定する因子の検討

Important factors affecting ablated margin by radiofrequency ablation

佐藤 秀一1, 三宅 達也1, 飛田 博史1, 齋藤 宰1, 岡 明彦1, 福間 麻子2, 新田 江里2, 木下 芳一1

Shuichi SATO1, Tatsuya MIYAKE1, Hiroshi TOBITA1, Tsukasa SAITOH1, Akihiko OKA1, Asako FUKUMA2, Eri NITTA2, Yoshikazu KINOSHITA1

1島根大学医学部附属病院消化器肝臓内科, 2島根大学医学部附属病院臨床検査部

1Gastroenterology and Hepatology, Shimane University Faculty of Medicine, 2Clinical Laboratory, Shimane University Hospital

キーワード :

【目的】
RFAの焼灼範囲はRFA電極の非絶縁部の長さや焼灼時間,病変に隣接する血管の存在だけではなくさまざまな因子により影響を受ける.また,エタノール注入など,物理的に環境を変えることで,焼灼範囲は拡大する.われわれは,これまでRFAの焼灼範囲に影響を与える因子として,ICG検査値,SPIOの投与などを報告してきた(J Gastroenterol Hepatol 2006,2008).このように,RFAは腫瘍内外のさまざまな環境因子で焼灼範囲が異なっていることが予想される.近年,肝細胞癌の画像検査における造影剤の進歩により,乏血性結節の段階で発見され治療対象になることもしばしばみられるようになってきた.今回われわれは,乏血性結節,多血化した結節および,多血化した結節をTACEした場合とで,RFAの焼灼範囲に違いが見られるか否かを検討した.
【方法】
対象は2013年1月から2014年12月までに当科に入院してRFAを施行した117症例のうち,系統的複数回焼灼例,転移性肝腫瘍例,治療開始前の結節の血流評価不能例,ダイナミックCTでの焼灼範囲未計測例を除いた85例(平均年齢72.3歳,48-85歳,男性49例,肝硬変あり71例,Etiology:Alcohol 8例,HBV 14例,HCV 58例,HCV(SVR)2例,HCV+Alcohol 1例,NBNC 2例,Child-Pugh score5点47例,6点25例,7点8例,8-9点2例,10-11点3例,AFP 109ng/ml,DCP 217AU/ml)総結節数100結節(平均腫瘍径13.7mm,多血32結節,乏血43結節,TACE後25結節)であった.多血化はソナゾイド®造影US,ダイナミックCT,EOB-MRIで評価した.治療は全例Cool-tip typeの電極を使用し,先端2cmが45結節,先端3cmが55結節,平均焼灼時間9.25分,平均最終温度56.9度であった.治療効果判定は全例ダイナミックCT(RFA後撮像までの平均日数3.3日)の門脈相で評価し,最大径とそれに直交する2つの径の3つの直径の平均で焼灼径として評価した.電極先端長を2cmと3cmで分けて多血結節,乏血結節,TACE後結節における焼灼径を比較検討した.
【結果】
先端2cmの焼灼径はそれぞれ多血結節22.1mm,乏血結節24.8 mm,TACE後結節31.4mmで,TACE後結節は他の結節群に比し有意に焼灼径が大きかった(P<0.001).先端3cmの焼灼径はそれぞれ多血結節27.6mm,乏血結節30.9mm,TACE後結節35.3mmで,TACE後結節は他の結節群に比し有意に焼灼径が大きかった(P=0.003).先端2cm,3cmの両群で多血結節に比べ乏血結節の焼灼径が大きい傾向はみられたが,有意ではなかった.多変量解析の結果では最終温度,非絶縁部長が焼灼径に影響を与える独立した説明変数であった.
【結論】
多血結節の塞栓による血流遮断は有意にablated marginを拡大させた.結節の多血化はAblated marginを多少減少させる傾向がみられたが統計学的に有意ではなかった.