富樫 瑞輝¹, 富澤 稔², 篠崎 文信³, 長谷川 留魅子⁴, 白井 芳則⁴, 本吉 慶史⁵, 杉山 隆夫⁶, 山本 重則⁷, 石毛 尚起⁸, 吉田 孝宣³

Mizuki TOGASHI¹, Minoru TOMIZAWA², Fuminobu SHINOZAKI³, Rumiko HASEGAWA⁴, Yoshinori SHIRAI⁴, Yasufumi MOTOYOSHI⁵, Takao SUGIYAMA⁶, Shigenori YAMAMOTO⁷, Naoki ISHIGE⁸, Takanobu TOSHIDA³

¹独立行政法人国立病院機構下志津病院臨床検査科, ²独立行政法人国立病院機構下志津病院消化器内科, ³独立行政法人国立病院機構下志津病院内科, ⁴独立行政法人国立病院機構下志津病院外科, ⁵独立行政法人国立病院機構下志津病院神経内科, ⁶独立行政法人国立病院機構下志津病院リウマチ科, ⁷独立行政法人国立病院機構下志津病院小児科, ⁸独立行政法人国立病院機構下志津病院脳神経外科

¹Department of Clinical Laboratory, National Hospital OrganizationShimoshizu Hospital, ²Department of Gastroenterology, National Hospital OrganizationShimoshizu Hospital, ³Department of Medicine, National Hospital OrganizationShimoshizu Hospital, ⁴Department of Surgery, National Hospital OrganizationShimoshizu Hospital, ⁵Department of Neurology, National Hospital OrganizationShimoshizu Hospital, ⁶Department of Rheumatology, National Hospital OrganizationShimoshizu Hospital, ⁷Department of Pediatrics, National Hospital OrganizationShimoshizu Hospital, ⁸Department of Neurosurgery, National Hospital OrganizationShimoshizu Hospital

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【症例報告】
70代女性，蜂窩織炎にて当院整形外科通院中，Hb6.6と貧血を指摘され貧血の精査目的で入院となる．腹部症状等自覚症状なし．上部内視鏡を施行したところ有意な所見は認められなかった．スクリーニング目的で体外式腹部超音波検査（US）を施行した．
上行結腸に層構造の消失した不整な壁肥厚，内腔狭窄，蠕動運動消失，壁の硬化が認められた．壁肥厚の口側端，肛側端ともに隆起していた．
大腸癌の可能性があり，翌日下部消化管内視鏡検査（CF）を施行．
上行結腸にバウヒン弁を覆うように2/3周性の易出血性不整形の潰瘍を認めた．大腸癌の診断より，当院の倫理委員会の承認と，本人のインフォームド・コンセントを得，大腸癌の進展範囲を精査する目的でソナゾイド^®を用いた造影超音波検査を行った．
健常部との境界が明瞭化し，漿膜面不整であることから，漿膜外浸潤の可能性も考えられた．
生検の結果は中分化型の腺癌であった．今後当院外科にて手術の予定である．
【考察】
USに比べ造影超音波検査を施行することにより健常部との大腸癌の進展範囲をより明瞭に描出可能となり，浸潤の評価にも有用と考えられた．今後病理所見との相関を検討する．