Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

一般口演 消化器
下部消化管② 

(S554)

スクリーニング腹部超音波検査における大腸癌の発見に対する検討

Usefulness of ultrasonography for the screening of colon cancer

関 康1, 比嘉 裕次1, 一樋 政宏1, 藤田 典彦1, 小来田 幸世2, 福田 和人2, 森本 修邦3, 太田 博文3, 柴田 邦隆3, 今井 康陽2

Yasushi SEKI1, Yuji HIGA1, Masahiro ICHIHI1, Norihiko FUJITA1, Sachiyo KOGITA2, Kazuto FUKUDA2, Osakuni MORIMOTO3, Hirofumi OOTA3, Kunitaka SHIBATA3, Yasuharu IMAI2

1市立池田病院放射線科, 2市立池田病院消化器内科, 3市立池田病院消化器外科

1Department of Radiology, Ikeda Municipal Hospital, 2Department of Gastroenterology, Ikeda Municipal Hospital, 3Department of Surgery, Ikeda Municipal Hospital

キーワード :

【はじめに】
近年消化管疾患における超音波検査(US)スクリーニングの有用性が報告されている.当院でもスクリーニング目的の腹部USに消化管の系統的走査を積極的に取り入れており,1分程度の時間ではあるが,盲腸から直腸まで結腸の走行を観察するように心掛けている.
【目的】
今回我々はスクリーニングのUSにて大腸腫瘍性病変を指摘し,手術もしくは内視鏡的粘膜切除術にて治療され,病理学的に大腸癌と診断された14例の臨床的特徴について検討した.
【対象・方法】
当院における年間約8000件の腹部US検査数のうち,約6割程度のものには消化管の観察を施行している.その中で2011年2月〜2014年7月までの3年半のものを対象として,臨床所見,病理学的所見について検討を加えた.
使用装置は東芝社製Aplio XG,Aplio XV,使用プローブはPVT-375BT,PLT-704AT
【結果】
発見された大腸癌は14例で,年齢の中央値73歳(62歳〜92歳),男性8名,女性6名であった.腫瘍径の中央値は49mm(20-110mm)であった.最終的な病理所見では早期癌2例・進行癌12例で,病変部位は上行結腸5例・横行結腸3例・S状結腸6例であった.
【考察】
直腸癌の発見が無かったのは,下血等の症状を契機に先に内視鏡検査で発見されることが多く,深部に位置することから画像が不明瞭となる事や,また検査時には蓄尿がされていないことから描出が困難となることなどが考えられた.
【結語】
無症状の患者において大腸癌をUSにてスクリーニングすることは早期発見にもつながり,大腸癌スクリーニングの検査法の1つになりうると考えられた.