Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

一般口演 消化器
上部消化管 

(S549)

病変の由来と局在診断に超音波検査が有用であった巨大胃病変,奇形腫と胃石,の2例

Two cases of huge stomach lesion, including gastric teratoma and bezoar, that ultrasound has helped in these origin and localization

細川 崇洋, 小熊 英二, 佐藤 裕美子, 田波 穣

Takahiro HOSOKAWA, Eiji OGUMA, Yumiko SATO, Yutaka TANAMI

埼玉県立小児医療センター放射線科

Radiology, Saitama Childrens Medical Center

キーワード :

当院で経験した巨大な胃奇形腫と胃石の症例について,由来臓器の推定や局在部位の判断に超音波検査が有用であったため報告する.
【症例1】
0歳男児.縦隔腫瘤を指摘され,当院に紹介となった.CTでは,食道裂孔を通る形で胸腔と腹腔内に広がる大きさ37×48×80mm大の巨大な腫瘤を認めた(a).内部に脂肪と石灰化がみられ,奇形腫が疑われた.年齢と性別から,胃由来の奇形腫を疑ったが,病変が巨大であり由来臓器をはっきりと断定できなかった.そのため胃壁と病変の連続性を超音波検査で調べた.病変は内部に石灰化と嚢胞を内部に認めた.また,胃後壁と連続していることがわかり,胃後壁から管腔外へ伸展する病変であることが示唆された(b).手術でも胃後壁と連続があることが示唆された.超音波検査は巨大病変の場合,全体を観察することが困難となるが,このように精査部位を絞って行えば,その分解能の高さから由来臓器を推定することが可能である.
【症例2】
9歳女児.腹部腫瘤を指摘され,当院に紹介となった.超音波検査が施行され,腹腔内に巨大な内部に空気を伴う腫瘤性病変を認めた(c).この病変の腹側に胃前壁がみられ,病変は胃内に存在する胃石と考えられた.CTでは48×121×136mm大の巨大な胃石を認めた(d).その後開腹手術によって胃石の摘出を行った.この症例も巨大な病変であり,内部に空気を伴っていることから全体の評価は難しかった.しかし観察できる病変腹側に胃前壁を確認することが出来ため胃内病変と判断することが可能であった.
この2症例のように,病変部に空気や石灰化がある場合,病変の質的診断を行うには有用であったが,超音波検査を行う際には後方エコーの消失を招き観察を困難とする.また,巨大病変の場合,超音波では全体像を観察できず,由来や局在を判断するのが難しくなる.しかし,診断を予想することによって,精査すべき部位に注目し検査を行うことによって由来臓器や局在部位を予想することが可能であった.