Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

一般口演 循環器
症例報告・弁膜症2 

(S529)

人工弁周囲逆流に対するカテーテル閉鎖術に3D経食道心エコーが有用であった一例

A case of mitral paravalvular leak which underwent trans-catheter closure

橋本 剛, 鈴木 真事, 吉川 尚男, 大塚 健紀, 原 英彦, 中村 正人, 杉 薫

Go HASHIMOTO, Makoto SUZUKI, Hisao YOSHIKAWA, Takenori OTSUKA, Hidehiko HARA, Masato NAKAMURA, Kaoru SUGI

東邦大学医療センター大橋病院循環器内科

Division of Cardiovascular Medicine, Toho University Ohashi Medical Center

キーワード :

症例は60歳代男性.27歳時に大動脈弁狭窄症・僧帽弁狭窄症に対して両弁置換術(生体弁)施行.35歳時に感染性心内膜炎にて再置換術(機械弁)施行している.2013年11月頃より急速な貧血の進行,黄疸を認め,経食道心エコーにて中等度の僧帽弁(機械弁)周囲逆流を認めた.継続的な輸血を必要とする高度の溶血性貧血を認め,治療目的で当院転院となった.再手術であることや約5か月で10kgの体重減少など体力の低下も著しく,再手術による周術期のリスクを考慮し,僧帽弁周囲逆流に対し経皮的にカテーテルによる閉鎖術を施行した.経静脈的に心房中隔を穿刺し,3D経食道心エコーによるガイド下でleak部位へのwiringを行った.合計3個のデバイス(アンプラッツァー バスキュラープラグ)をleak部位へ留置し,逆流量の減少を確認し治療終了となった.術後より黄疸,貧血の改善を認め前医へ転院となった.人工弁周囲逆流による貧血の進行,心不全の増悪を認める症例に対しては経皮的閉鎖術の有用性が報告されている.術前,術中,術後の評価に3D経食道心エコーは必須である.僧帽弁周囲逆流の経皮的閉鎖術に3D経食道心エコーが有用であった一例を報告する