山本 昌良, 瀬尾 由広, 川松 直人, 佐藤 希美, 菅野 昭憲, 渥美 安紀子, 針村 佳江, 町野 智子, 石津 智子, 青沼 和隆

Masayoshi YAMAMOTO, Yoshihiro SEO, Naoto KAWAMATSU, Kimi SATO, Akinori SUGANO, Akiko ATSUMI, Yoshie HARIMURA, Tomoko MACHINO, Tomoko ISHIZU, Kazutaka AONUMA

筑波大学循環器内科

Cardiovascular Division, University of Tsukuba

キーワード :

【目的】
Vector Flow Mapping（VFM）は心腔内血流の可視化および血流解析を目的としたシステムである．本研究の目的は心房細動症例においてVFMを用いて左房内血流の可視化および血流解析を行うことである．
【方法】
対象は心房細動に対するカテーテルアブレーション術の術前に左心耳内血栓の除外のため経食道心エコー図を施行された連続40症例．90°像にて左房壁全体，左心耳，僧帽弁を含めた画像を取得し，VFMによって左房内血流の解析を行った（左図）．
【結果】
左房壁の全体像を取得できなかった5症例を除外し，35症例（87.5％）を解析対象とした．図に左心耳収縮時相の血流ベクトル表示および等流量線表示画像を示す（左図）．次に，各症例のもやもやエコー強度とエナジーロスとの関係を示す（右図）．もやもやエコー強度が上昇するにつれ，エナジーロスは低下する傾向を示した．
【結論】
VFMにより，時相ごとの左房および左心耳内血流を詳細に観察することが可能であった．血流鬱滞の進行により左房内の総運動エネルギーが低下することでエナジーロスが減少する可能性が示唆された．