Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

一般口演 工学基礎
定量診断② 

(S496)

超音波パルスエコー方式による生体内部の温度上昇分布のイメージング

Imaging of temperature rise distribution in biological tissue by ultrasonic pulse-echo method

森本 舞, 森田 晟央, 渡辺 好章, 秋山 いわき

Mai MORIMOTO, Akihisa MORITA, Yoshiaki WATANABE, Iwaki AKIYAMA

同志社大学超音波医科学研究センター

Medical Ultrasonics Research Center, Doshisha University

キーワード :

【目的】
本手法は超音波によって加温した場合の生体組織の温度上昇曲線から組織のCvを推定する.温度上昇をin vivoで計測することで,生体内部のCvの分布を映像化できる.本研究では,超音波パルスエコー方式によって音速変動を測定し,音速の温度依存性から温度を推定する.本報告では局所加温した生体模擬ファントムの温度上昇を超音波によって測定して,経過時間とレンジ方向で形成される2次元画像として温度上昇分布をイメージングした.
【測定原理】
本手法は,加温にともなう温度上昇を超音波パルスエコー方式で測定される音速変動から推定する.Δt時間経過前後における温度上昇による生体組織の音速変化Δcは,温度上昇が微小であればΔc«cとなり,次式で近似できる.
 Δc(x)≈c(x)Δτ/Δt(1)
ただし,c(x)は位置xにおける音速である.音速変化は同一地点からのエコーの時間変化を伴うため,エコーの時間シフトτを相関法によって測定できる.Δτはエコー信号において任意の2点間Δxに相当する時間だけ離れたゲートのそれぞれの時間シフトの差である.
【方法】
30×70×100 mm3の生体組織模擬ファントムを作成した.ヒーターを用いてファントムを局所的に加温した.中心周波数5 MHz,口径10 mmの平面振動子をパルサーによって駆動し,5秒ごとにエコーを120秒間記録した.時間ゲートをかけて時間シフトτを相関法によって計算し,(1)式から音速変化を計算する.
【結果】
温度上昇前後のエコー信号を用いて算出した時間シフトτはファントムの深層でばらつきが見られた.そこで3次の回帰曲線を用いて近似した後,温度上昇値を(1)式によって算出した.水平方向をファントムの深さ,垂直方向を加温時間として温度上昇値を正規化して濃度分布で表した画像を図に示す.ヒーターを設置した50mm付近での温度上昇が経過時間とともに大きくなることを観察できた.
【結論】
超音波パルスエコー方式により生体組織模擬ファントムを局所加温した場合のファントム内部の温度上昇分布を測定した.生体内部の温度上昇分布をin vivoでイメージングする可能性が示唆される.
【謝辞】
本研究は文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(平成25年度−29年度)の補助を受けた.